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 新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、地震や台風といった自然災害が発生したらどうすべきか。日本建築学会や土木学会など58の学会が参加する防災学術連携体が2020年5月1日、感染症と自然災害の複合災害への備えを市民に呼びかける緊急メッセージを発表した。「公的避難所での感染リスクが高く、従来とは避難の方法を変えなければならない」と強調している。

防災学術連携体が2019年12月末にシンポジウムを開催したときの様子。日本建築学会や土木学会、日本地震工学会など58の学会が参加している(写真:日経アーキテクチュア)
防災学術連携体が2019年12月末にシンポジウムを開催したときの様子。日本建築学会や土木学会、日本地震工学会など58の学会が参加している(写真:日経アーキテクチュア)
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 緊急メッセージでは、複合災害に見舞われた地域では、オーバーシュート(感染爆発)が起こる可能性が高まると指摘。感染リスクを考慮した避難、地震・火山災害や気象災害との複合災害への備え、熱中症対策の必要性を訴えた。

 災害時に開設される避難所は、いわゆる「3密(密閉、密集、密接)」に陥りやすい。メッセージでは自治体関係者に対し、公的避難所のウイルス感染対策を求めている。「避難所の数を増やす」「学校では体育館だけでなく教室も使い、避難者間のスペースを確保し、ついたてを設置する」「消毒液などの備品を整備する」といった対応策を列挙。さらに、感染の疑いがある人もいる場合は、建物を分けるなど隔離対策が必要だとした。

 そのうえで、市民に対しても、避難所の3密を避けるため、自主避難先の確保や自宅にとどまることも検討するよう求めた。「より安全な親戚や知人の家があれば自主避難先としてお願いしておく」「近隣の人と相談して近くにある頑丈なビルの上層階を避難場所とする」といった事前の備えが有効だと言及。自宅にとどまる場合は、食料や水の備蓄が必要だと指摘した。さらに、自主防災組織や町内会などが、地域で公的避難所を利用する予定の人数や情報を把握し、あらかじめ自治体に伝えておくことも重要だとした。