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 大和ハウス工業で2019年12月に発覚した施工管理技士資格の不正取得問題。同社は20年4月17日、外部調査委員会(委員長:桑野幸徳・大和ハウス工業社外監査役)による報告書を国土交通省に提出した。報告書によると、元社員を含む371人が所定の実務経験要件を満たさずに技術検定試験を受験し、施工管理技士の資格を取得していた。

大和ハウス工業は、外部調査委員会がまとめた報告書を国土交通省に提出した。報告書で外部調査委員会は、同社のずさんな管理体制を指摘した(資料:大和ハウス工業)
大和ハウス工業は、外部調査委員会がまとめた報告書を国土交通省に提出した。報告書で外部調査委員会は、同社のずさんな管理体制を指摘した(資料:大和ハウス工業)
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 同社は19年12月時点で、資格を不正取得した社員は349人としていた。調査委員会によって、新たに社員8人と退職者14人の不正取得が明らかになった。不正に取得していた資格は、1級建築施工管理技士や1級土木施工管理技士、1級電気工事施工管理技士などで合計445件に上る。

 調査委員会は30年以上前から不正取得が行われてきた原因として、資格取得を推進する全社方針、実務経験要件のチェック体制などの不備、実務経験要件に不備があった者とその承認者の対応・認識の問題――の3点を挙げた。

 資格取得の推進方針について調査委員会はまず、社長名で公的資格の取得を徹底するよう指示するなど、全社を挙げて取得を促す社風が問題の背景にあったことを指摘している。

 同社では、1級建築施工管理技士に加えてもう1種類の施工管理技士資格の取得を管理職への昇格の条件とするなど、人事制度と結びつけることで複数の資格取得を推進していた。同社の技術部門では、課長などの管理職に昇格するのに必要な資格を「昇格必須免許」と呼んでいたという。報告書では、技術本部を中心とした資格取得の推進方法が、不正取得を生じさせた原因の1つだと結論付けた。