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 コンテナ建築を手掛けるデベロップ(千葉県市川市)は2020年4月末、災害時の利用を想定したコンテナ型ホテル「レスキューホテル」を初めて有事に提供した。現在、長崎市に停泊しているクルーズ船内での新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全50室分のコンテナを「出動」要請から4日で運び終えた。

長崎市に到着したレスキューホテル。各コンテナには車輪が付いており、けん引車で移設できる(写真:デベロップ)
長崎市に到着したレスキューホテル。各コンテナには車輪が付いており、けん引車で移設できる(写真:デベロップ)
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 4月26日に政府と長崎県およびクルーズ船会社から出動要請を受けたデベロップは、同27日に千葉県成田市、28日に栃木県足利市でそれぞれ営業しているコンテナ型ホテルから、合計50室分を緊急輸送した。29日には長崎市にある三菱重工業長崎造船所の敷地内に到着し、設置工事が始まった。短工期で稼働できるのが、レスキューホテルの特徴である。

 レスキューホテルには、車輪が付いたシャシーの上にコンテナを載せた「車両型」と、コンテナをシャシーから下ろして地面に固定して使う「建築型」がある。今回出動したのは全て車両型だ。けん引車にコンテナ車をつないで運ぶ。

 長崎に到着した後も車輪を付けたまま、コンテナを配置する。まさに駐車している状態だ。けん引車ですぐに場所を移動させられるので、コンテナの配置変更は容易だ。

 レスキューホテルは普段、コンテナ型ホテル「ザ・ヤード」として営業している。そのため、室内はビジネスホテルそのものである。

 建築用コンテナモジュールを利用した1棟1室の宿泊施設で、今回のコンテナは1室の面積が約13m2。コンテナごとに部屋が独立しているため、隣室と壁を接しない。静かで、プライバシーを保ちやすい。個別の隔離施設としては、有効に機能しやすい。ちょうど今は、テレワーク用の部屋として利用しているビジネスパーソンもいるという。

レスキューホテルのベッドルーム。各コンテナにはエアコンが付いている(写真:デベロップ)
レスキューホテルのベッドルーム。各コンテナにはエアコンが付いている(写真:デベロップ)
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 コンテナ内には、ベッドやユニットバス、エアコン、冷蔵庫、テレビ、電子レンジなどを備える。キッチンはない。コンテナの外側にはエアコンの室外機が付いており、全室が個別空調になっている。そのため、移設後もコンテナに電気がつながれば、すぐにエアコンで室温を通常のホテル並みに保てる。

レスキューホテルのユニットバス。上・下水道がつながり次第、使えるようになる(写真:デベロップ)
レスキューホテルのユニットバス。上・下水道がつながり次第、使えるようになる(写真:デベロップ)
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 出動の際は上・下水道や電気、ガス、通信などの配管や配線を取り外し、室内外の養生をして、コンテナごと現地に移設する。長崎では各コンテナに、上・下水道や電気、ガス、通信をそれぞれつないで、順次利用可能にしていく。今回はまず電気をつなぎ、その後上・下水道をつなげる計画という。なお、テレビや電子レンジは要請により、提供していない。