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 住友林業は2020年4月30日、2時間耐火構造の木質梁部材について、国土交通大臣認定を取得したと発表した。表面を覆うCLT(直交集成板)と不燃材の間に通気層を設けたのが特徴だ。隙間は耐火性能に関係なく、耐久性の向上や不燃材の不陸調整に寄与する。

 開発した耐火構造部材は、構造支持部材の木製梁の周辺に不燃材とCLTを配置し、両者の間に隙間を設けて通気層を確保している。通気層によって、施工中に雨にぬれても水を排出できるので耐久性が向上する。不燃材の表面に生じた凹凸の影響も受けず、CLTの仕上げ面をきれいに保てるとしている。

 必要な荷重は、梁の中央にある構造支持部材で確保している。CLTはたわみ量や振動の抑制など、補助的に効果を発揮する。CLTの厚さは90mm。通気層は45mmを基本とする。不燃材には、耐水石こうボードやケイカル板を用いる。

CLTと不燃材の間に通気層を設けた耐火構造の木質梁部材。梁の側面に厚さ90mmのCLTを使い、不燃材との間に幅45mmの通気層を設ける。不燃材は使い分ける。梁側面には耐水石こうボード25mm×2枚、角部には耐水石こうボード21mm×2枚を増し張り。梁底面にはケイカル板40mm×2枚を使う(写真:住友林業)
CLTと不燃材の間に通気層を設けた耐火構造の木質梁部材。梁の側面に厚さ90mmのCLTを使い、不燃材との間に幅45mmの通気層を設ける。不燃材は使い分ける。梁側面には耐水石こうボード25mm×2枚、角部には耐水石こうボード21mm×2枚を増し張り。梁底面にはケイカル板40mm×2枚を使う(写真:住友林業)
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国土交通大臣認定を取得した耐火構造の梁のイメージ図。CLTと不燃材の間に通気層を確保するのが特徴。右図のように、梁下には照明やスプリンクラー配管などを納められる(資料:住友林業)
国土交通大臣認定を取得した耐火構造の梁のイメージ図。CLTと不燃材の間に通気層を確保するのが特徴。右図のように、梁下には照明やスプリンクラー配管などを納められる(資料:住友林業)
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 部材は工場と建設現場のどちらでも製作できる。木仕上げ材の接着工程がなく、大型のプレス機や固定治具を使うこともない。さらに、乾燥養生期間も要らないなど、既存の耐火構造部材に対してコスト優位性があると、住友林業は判断している。

 火災の後、現場でCLTを交換することも想定している。また、CLTは製材や集成材、LVL(単板積層材)などにも置き換えられる。部材の外販も計画している。コストは個別に設定する必要があり、今後詰めていく。

 住友林業は、2時間耐火の柱についても、性能評価試験に合格している。梁と同様に、通気層を確保するものだ。20年末の国交大臣認定の取得を目指している。

2時間耐火構造の柱のイメージ図。梁と同様にCLTと不燃材の間に通気層を確保する。国土交通大臣認定の取得を目指す(資料:住友林業)
2時間耐火構造の柱のイメージ図。梁と同様にCLTと不燃材の間に通気層を確保する。国土交通大臣認定の取得を目指す(資料:住友林業)
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