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 安藤ハザマとイクシス(川崎市)は「自律走行式ひび割れ検査ロボット」を開発した。持ち運びやすく、走行と撮影、ひび割れの検出、検査結果の図面へのプロットを全て自動化したのが特徴だ。検査と書類作成の手間や時間を削減し、従来の検査業務と比べて約40%の業務時間が短縮できる。大空間構造物のコンクリート床面に生じるひび割れの検査などへの活用を想定している。

検査ロボットが撮影した床面の画像をAI(人工知能)で解析してひび割れを検出する。幅0.1mm以上のひび割れを0.1mm単位で検出する(資料:安藤ハザマ)
検査ロボットが撮影した床面の画像をAI(人工知能)で解析してひび割れを検出する。幅0.1mm以上のひび割れを0.1mm単位で検出する(資料:安藤ハザマ)
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自律走行式ひび割れ検査ロボットのイメージ図。重さは撮影装置が16kg、走行台車が19kgで、分離して持ち運ぶことができる(資料:安藤ハザマ)
自律走行式ひび割れ検査ロボットのイメージ図。重さは撮影装置が16kg、走行台車が19kgで、分離して持ち運ぶことができる(資料:安藤ハザマ)
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自律走行式ひび割れ検査ロボット(資料:安藤ハザマ)
自律走行式ひび割れ検査ロボット(資料:安藤ハザマ)
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 検査ロボットは、撮影装置と走行台車から成る。作業員が指定した検査範囲を基に、撮影装置の上部にあるレーザーセンサーで位置情報を取得し、柱などの障害物を回避しながら自律走行する。走行しながら2秒ごとに70cm×30cmの範囲を連続撮影している。撮影した画像は無線LANでパソコンに随時転送され、AI(人工知能)がリアルタイムで解析してひび割れを検出する。幅0.1mm以上のひび割れを0.1mm単位で検出し、CAD図面上にひび割れの幅ごとに色分けして表示する。図面は検査範囲の走行が終わると出力できる。

 撮影装置をプラスチック製の遮光カバーで覆っているのもポイントだ。カメラと床面の距離や、フラッシュライトによる照明の光量や角度を一定に保っている。これにより、外的要因に影響を受けず、常に同じ条件で撮影でき、ひび割れ検出の精度を上げている。これまで安藤ハザマが所有する施設で試験運用したところ、90%以上の適合率で検出できることが確認できた。

 検査ロボットの走行速度は約15cm/秒で、1500m2を約6時間で検査する。ロボットの設置や監視、回収などに必要な人員は1人だ。従来は必要な知識を持った検査員が2人1組でクラックスケールなどを用いて測定し、撮影やスケッチで記録していた。ひび割れが多く発生していると1500m2を検査するのに8~9時間かかる。検査ロボットの導入でこうした手間が大幅に削減できる。

 検査ロボットは、撮影装置と走行台車を分離して持ち運ぶことができる。検査現場で連結部分にピンを差し込むだけで、特殊な工具などは必要ない。

 安藤ハザマとイクシスは、今後さまざまな現場で試行と改良を重ね、本格的導入に向けた検査ロボットの量産を目指す。