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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、急激に広まったテレワークや在宅勤務。業種によってはオフィスに行かなくてもほとんどの業務をこなせるという事実を、経営者と従業員の双方が図らずも体感したことで、アフターコロナの働き方に大きな影響を及ぼしそうだ。

東京・大手町のオフィスビル群(写真:日経アーキテクチュア)
東京・大手町のオフィスビル群(写真:日経アーキテクチュア)
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 では、オフィスは本当に要らないのか。必要だとすれば、企業は何のためにオフィスを構えるのか。より根本的な議論が始まりそうだ。ワークプレイス設計の先駆的企業であるゲンスラーの天野大地クリエイティブディレクターは、オフィスの在り方の見直しが、「Re-think(再考)」、「Re-entry(回帰)」、「Re-activation(再活性化)」の3つのフェーズを経て進むと予想する。

 1つ目の「Re-think」とは、企業が従業員に在宅勤務を指示し、ビジネスパーソンが試行錯誤しながらなんとか対応しているフェーズだ。右往左往しながらも、自分たちの取り組みが正しいのか再考(検証)が進む。

 次にやってくるのが「Re-entry」のフェーズ。経済活動を再開するために、出社人数を制限したり、検温による健康状態の把握や換気などによる感染防止策を講じたりしながら、徐々にオフィスに人が回帰する期間が数カ月続く。日本はまさにこれから、Re-entryのフェーズに突入することになる。

 先行する中国はどうか。ビルに入る前に検温を求め、エレベーターには入場制限をかけ、ウイルスを含む空気が館内に対流するのを防ぐために空調を止めるといった、涙ぐましい努力が行われている。ゲンスラーの北京オフィスでも、出社人数を通常の3~5割に制限しているという。天野クリエイティブディレクターは「Re-entryの段階では従業員の密度を下げ、健康を守る考え方やそのための仕組みが定着していく」と指摘する。

 そして最後のフェーズが「Re-activation」。Re-entryの段階での試行錯誤の結果を踏まえて新たなビジョンやワークプレイス戦略を打ち立て、再始動する。