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 産業用ロボットアームの先端に溶接トーチを取り付け、市販の溶接ワイヤを供給しながら肉盛溶接を繰り返し、金属の構造物を「印刷」していく――。竹中工務店は、金属3Dプリンターを開発しているオランダ・アムステルダムのスタートアップ企業、MX3Dとタッグを組み、大空間建築物の「接合部」を試作した。実プロジェクトへの適用を視野に、研究開発を進めている。

竹中工務店とMX3Dが3Dプリンターで製作した大空間建築物の接合部(写真:竹中工務店、MX3D)
竹中工務店とMX3Dが3Dプリンターで製作した大空間建築物の接合部(写真:竹中工務店、MX3D)
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 金属3Dプリンターで試作した接合部の重量は約40kg、高さは約500mm。試作品なので、実際の建築物に使用する接合部に比べるとやや小ぶりだ。より大きな接合部を製作する場面を想定し、内部を中空としてモルタルを充填する複合構造を採用した。溶接量をなるべく減らし、印刷に要する時間とコストを削減する狙いがある。

 溶接ワイヤには、優れた構造強度と耐食性を持つ二相ステンレス鋼向けの製品を使用した。今回は欧州の規格に適合した製品を用いたが、日本産業規格(JIS)のワイヤを用いることも可能だ。

MX3D が開発した金属3Dプリンターで接合部を印刷した。同社でリードエンジニアを務めるフィリッポ・ジラルディ氏は、「設計から部材の製作までを一貫してデジタル化すれば、建築の創造性が製造技術の制約から解き放たれる」とする(写真:竹中工務店、MX3D)
MX3D が開発した金属3Dプリンターで接合部を印刷した。同社でリードエンジニアを務めるフィリッポ・ジラルディ氏は、「設計から部材の製作までを一貫してデジタル化すれば、建築の創造性が製造技術の制約から解き放たれる」とする(写真:竹中工務店、MX3D)
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 MX3Dの3Dプリンティング技術はWAAM(Wire and Arc Additive Manufacturingの略、ワイヤとアーク溶接を用いた金属積層造形技術)などと呼ばれ、金属粉末にレーザービームを照射して固めるSLM(Selective Laser Melting)という手法と比べて材料の単価が非常に安く、印刷速度も優れる。表面の凹凸が目立つのが難点だが、建築や土木などの大型構造物を印刷するのに向いている。

 同社は2018年3月、3Dプリンターで印刷した長さ12.5mの鋼橋を発表して話題を呼んだ。曲線を多く取り入れたデザインが特徴のこの橋は、アムステルダムの運河に架ける予定の歩道橋。総重量約4.5tの鋼材を、4台のロボットを用いて6カ月かけて製作した。デザインはオランダのヨリス・ラーマン・ラボが、構造は英アラップが担当している。

MX3Dが3Dプリンターで印刷した鋼橋(写真: MX3D)
MX3Dが3Dプリンターで印刷した鋼橋(写真: MX3D)
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