全1819文字
PR

不自然な調整を疑問視

 日本建築検査研究所の岩山代表は、「施工者は工事の段階で建物の傾きを把握していたのではないか」と指摘する。

 同社は建物の大梁や小梁、床スラブの傾斜に加え、梁に設置されているアルミサッシと玄関扉の下枠・上枠が梁とともに傾いていることも確認した。しかし、岩山代表は調査結果に「違和感」を感じたという。「床やサッシの上枠・下枠などが傾いているにもかかわらず、サッシの縦枠はほぼ垂直で、キッチンのシンクは排水に支障を来さないように水平に調整されていた」(岩山代表)

ある住戸では床面に29mmの高低差があった(資料:日本建築検査研究所)
ある住戸では床面に29mmの高低差があった(資料:日本建築検査研究所)
[画像のクリックで拡大表示]
アルミサッシの上枠・下枠は傾いていたが、縦枠はほぼ垂直だった(資料:日本建築検査研究所)
アルミサッシの上枠・下枠は傾いていたが、縦枠はほぼ垂直だった(資料:日本建築検査研究所)
[画像のクリックで拡大表示]

 岩山代表がまとめた調査報告書では、4階の住戸の大梁が27mm傾斜しているにもかかわらず、柱はほぼ垂直に打設されていることを指摘。「建設後に不同沈下が起こったのであれば、柱も梁と同様に傾いていなければおかしい」とし、「売り主は基礎杭に欠陥があり、不同沈下が起こっていることを承知していながら、室内の造作でごまかし、建物を販売していた」と結論づけた。