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 ダイキン工業と理化学研究所は、夏のオフィスで湿度を下げれば、執務者の疲労を軽減できることを共同実験で確認した。100人規模の被験者による実験で、温湿度と執務者の疲労具合の関係を検証。執務者の疲労状態を心理的・生理的な側面から評価する。発表は2020年5月28日付だ。

 実験の対象は、20~50代の男女それぞれ57人だ。温湿度を変化させた状態で被験者の疲労度合いの違いを評価する。具体的には、アンケート調査に基づく心理的な指標のほか、被験者の胸に装着した心電計の測定結果に基づく生理指標などに着目。ダイキン工業と理化学研究所の連携組織「理研BDR-ダイキン工業連携センター」が検証した。

温度を24~30度の4条件に、湿度を40~70%の3条件に設定して被験者実験を実施した。被験者の行動を統一するために、認知的な負荷をかける課題を与えた(資料:理研BDR-ダイキン工業連携センター)
温度を24~30度の4条件に、湿度を40~70%の3条件に設定して被験者実験を実施した。被験者の行動を統一するために、認知的な負荷をかける課題を与えた(資料:理研BDR-ダイキン工業連携センター)
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実験のスケジュール(資料:理研BDR-ダイキン工業連携センター)
実験のスケジュール(資料:理研BDR-ダイキン工業連携センター)
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 心電計による生理的評価の結果から、夏季に想定される24~30度の環境下において、湿度を下げれば心臓への負荷が小さくなる可能性があることが分かった。湿度が40%の場合のほうが、70%の場合と比べて心拍数が統計的に有意に低い。

 低湿度の環境では、体全体への負荷も小さくなる可能性があることが分かった。湿度が低いほど、交感神経と副交感神経のバランスを反映したLF/HFという指標の値が低くなる傾向を確認した。この指標は値が低いほどストレスが小さいとされる。

湿度をそれぞれ40%と55%、70%に設定した場合の心拍数と自律神経の指標値。湿度が低いほど指標値が低く、疲労が小さい傾向だ(資料:理研BDR-ダイキン工業連携センター)
湿度をそれぞれ40%と55%、70%に設定した場合の心拍数と自律神経の指標値。湿度が低いほど指標値が低く、疲労が小さい傾向だ(資料:理研BDR-ダイキン工業連携センター)
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