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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、新設住宅着工戸数は2020年度が73万戸、21年度が74万戸に落ち込む。これはリーマン・ショックの78万戸を下回る水準だ。野村総合研究所が20年6月9日に予測を発表した。

 野村総研は、新型コロナの影響がなかった場合とあった場合の予測値を比較した。その結果、20年度は85万戸が73万戸になり12万戸減、21年度は82万戸が74万戸になり8万戸減と予測。20~21年度の2年間で、合計20万戸の大幅減少との見通しを示した。

 さらに野村総研は、20年度と21年度の住宅着工戸数を四半期別に示している。影響のピークは20年度の第3四半期で、減少数は3.5万戸と最も多いとみる。その後、着工戸数は緩やかに回復していくと予測する。

新設住宅着工戸数の実績と短期的予測の結果。新型コロナの影響で、20年度は73万戸、21年度は74万戸となり、リーマン・ショックの影響があった09年度の78万戸を下回る水準になると予測している(資料:野村総合研究所)
新設住宅着工戸数の実績と短期的予測の結果。新型コロナの影響で、20年度は73万戸、21年度は74万戸となり、リーマン・ショックの影響があった09年度の78万戸を下回る水準になると予測している(資料:野村総合研究所)
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四半期ごとの新設住宅着工戸数の実績と短期的予測の結果。20年度の第3四半期の減少数が3.5万戸と、最も下げ幅が大きい。この3カ月が落ち込みのピークとなり、その後は緩やかな回復に向かうと予測している(資料:野村総合研究所)
四半期ごとの新設住宅着工戸数の実績と短期的予測の結果。20年度の第3四半期の減少数が3.5万戸と、最も下げ幅が大きい。この3カ月が落ち込みのピークとなり、その後は緩やかな回復に向かうと予測している(資料:野村総合研究所)
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 新設住宅着工戸数の予測には、移動世帯数や住宅ストックの築年数、名目GDP(国内総生産)成長率などを用いている。新型コロナの影響を勘案するうえで、特に注目したのは名目GDP成長率だという。

 20年度と21年度の名目GDP成長率は、新型コロナの影響を踏まえた野村証券のリポート「2020~21年度の経済見通し(2020年5月22日公表)」の値を引用している。20年度がマイナス5.1%、21年度がプラス3.8%という数字だ。その結果、リーマン・ショックよりも少ない着工戸数になるとした。

 「この先、ウイルス感染の第2波が警戒されるなど、経済活動の先行きは不透明な状況だ。影響が長引けば、着工戸数が落ち込む期間がさらに延びる可能性がある」(野村総研)と分析する。