全1336文字
PR

 竹中工務店は2020年6月9日、建設現場にある機器をインターネット上のクラウドシステムに接続するための通信プラットフォーム「TSUNAGATE(ツナゲート)」を開発したと発表した。ネット接続できる「仮設分電盤」を用いて、現場に無線LAN(Wi-Fi)環境を構築。モバイル端末などから、クラウドサービスを使えるようにした。

 このプラットフォームの特徴は、建設現場に工事用の電力を供給するための仮設電源線を使って通信をすることだ。「電力線通信(PLC、パワー・ライン・コミュニケーション)」と呼ばれる技術である。

 PLCをTSUNAGATEに適用し、現場にWi-Fi網を張り巡らせる。これでタブレットやスマートフォンなどのWi-Fi通信機能が使えるようになる。建設現場でもタブレットやスマホの利用は当たり前になっており、図面データのダウンロードといった大容量で高速な通信には、Wi-Fiが欠かせなくなった。

「TSUNAGATE」のシステム構成。建設現場内に置く仮設分電盤を電力線通信(PLC)で結び、そこからWi-Fiの電波を飛ばす(資料:竹中工務店)
「TSUNAGATE」のシステム構成。建設現場内に置く仮設分電盤を電力線通信(PLC)で結び、そこからWi-Fiの電波を飛ばす(資料:竹中工務店)
[画像のクリックで拡大表示]

 他にも、現場に設置する照明やネットワークカメラ、各種センサー、デジタルサイネージなどをネット接続し、遠隔でコントロールできるようにしている。機器ごとに通信配線を用意する手間が省ける。

 TSUNAGATEの中核になる装置は、ネット接続可能な仮設分電盤「TSUNAGATE BOX」である。この箱を現場の複数カ所に置き、PLCで結べば、建設現場にWi-Fi環境が出来上がる。

 TSUNAGATE BOXにはパソコンを組み込んであり、装置につなげた照明やセンサーなどを制御するアプリをインストールできる。いわば、建設現場におけるIoT(モノのインターネット)のハブになる。

「TSUNAGATE BOX」の筐体(きょうたい)。パソコンを内蔵し、照明やセンサーなどを制御するアプリをインストールできる(写真:竹中工務店)
「TSUNAGATE BOX」の筐体(きょうたい)。パソコンを内蔵し、照明やセンサーなどを制御するアプリをインストールできる(写真:竹中工務店)
[画像のクリックで拡大表示]

 現場に置くTSUNAGATE BOXを集中管理するためのクラウドシステム「TSUNAGATE CLOUD」も用意した。このクラウドで、建設現場にある全ての仮設分電盤にインストールした様々な機能を、建設現場で働く人たち自身がパソコンやモバイル端末のウェブブラウザーから一括制御できる。