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 三井住友建設は、ワイヤレス振動センサーを用いて構造物の損傷を検知する「即時異常検知システム」を開発した。地震発生時に建物の損傷やひび割れなどの異常を自動で検知して、建物利用者の安全確保に役立てる。2020年7月3日に発表した。

 このシステムは、地震による構造物の揺れの加速度を計測・分析し、固有振動数の低下を捉えることで、構造物に異常が発生しているか判定する。固有振動数は構造物の剛性を反映した指標なので、損傷が発生した場合に値が大きく低下する。

 固有振動数の変化を捉えるためには、地震時だけでなく平常時にも値を算出しておく必要がある。風や周囲を走る車などによって生じる構造物の微少な振動を検知して、平常時にも固有振動数をモニタリングする。設計時の資料がない既存建物でも、即時異常検知システムを導入すれば固有振動数の変化から建物の異常を把握できるのが特徴だ。

 三井住友建設は、3階建て鉄筋コンクリート(RC)造の実大構造物による加振実験によって即時異常検知システムの有効性を確認。同システムは、加振後の実大構造物の異常を検知できた。実験はE-ディフェンスで実施。防災科学技術研究所が取り組む「首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト」の一環だ。

三井住友建設は、防災科学技術研究所の兵庫耐震工学研究センター(兵庫県三木市)の振動台(通称:E-ディフェンス)で2019年12月に実施された加振実験に付加計測チームとして参加。即時異常検知システムの有効性を確認した(写真:三井住友建設)
三井住友建設は、防災科学技術研究所の兵庫耐震工学研究センター(兵庫県三木市)の振動台(通称:E-ディフェンス)で2019年12月に実施された加振実験に付加計測チームとして参加。即時異常検知システムの有効性を確認した(写真:三井住友建設)
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