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 死者1人、負傷者19人の人的被害に加えて、周辺建物にも大きな被害を与えた福島県郡山市内の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」の爆発事故。警察や消防が事故原因などの調査を進めるなかで、2020年7月30日に起こった爆発時の状況などが明らかになりつつある。
(関連記事:「飲食店が爆発して19人死傷、気密性の高さが被害広げたか」)

爆発が起こった店舗の様子。外壁や屋根が吹き飛び、鉄骨の架構のみになった。周辺には大量のがれきが飛散した。向かいにある東邦銀行(写真左手)ではガラス破損など大きな被害が出た(写真:郡山地方広域消防組合)
爆発が起こった店舗の様子。外壁や屋根が吹き飛び、鉄骨の架構のみになった。周辺には大量のがれきが飛散した。向かいにある東邦銀行(写真左手)ではガラス破損など大きな被害が出た(写真:郡山地方広域消防組合)
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爆発前の店舗の様子(写真:コロワイド)
爆発前の店舗の様子(写真:コロワイド)
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 郡山地方広域消防組合によると、がれきの飛散や爆風で店舗周辺の住宅など少なくとも184棟に窓ガラスや外壁の破損といった被害が生じた。被害を受けた建物のなかで最も遠いものは、爆発した店舗から約500mも離れていた。

爆発によって周辺の広い範囲の建物にガラスや外壁が破損する被害が発生した(写真:日経アーキテクチュア)
爆発によって周辺の広い範囲の建物にガラスや外壁が破損する被害が発生した(写真:日経アーキテクチュア)
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 爆発に巻き込まれて死亡したのは、店舗の内装工事を請け負っていた小西造型(仙台市)の社員で、現場責任者を務める男性だった。事故当日、午前8時57分に店舗のセキュリティーを解除した記録があり、その直後に爆発が起こったとみられる。

 店舗には屋外にプロパンガスのボンベ6本が設置されていた。福島県警郡山署や郡山地方広域消防組合などは、爆発当時はガスの臭いがしていたことからガス漏れの可能性が高いとして原因を調査している。

 日本建築学会衝撃低減対策小委員会で主査を務めた神戸大学の向井洋一准教授は、「今回事故が発生した建物は開口部が少なく、気密性が高い建物だったと推測される。内部で爆発が発生し、壁にかかる圧力が均等になって建物全体が壊れるまで、爆風が外へ抜けなかった可能性がある。そのため、鉄骨しか残らないほど周辺に激しく飛び散ったのではないか」と分析する。