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 戸田建設は2020年7月31日、古野電気とPicoCELA(ピコセラ、東京・中央)と共同で、超高層ビルの建設現場の高層階でも無線LANを広く利用できるシステムを開発したと発表した。戸田建設と古野電気が19年10月に開発した、建設現場でよく見かける単管パイプ(中空の金属管)を使う無線LANシステムと、PicoCELAが持つ無線通信技術を組み合わせた。建設中の高層ビルで通信エリアを拡大できることを確認した。従来は電波が届きにくかった高層階でも安定して、無線LANを利用できるようになったという。

単管パイプを利用する無線LANシステムとPicoCELAの無線LANシステムを組み合わせ、建設中の高層ビルで通信環境を整備(資料:戸田建設)
単管パイプを利用する無線LANシステムとPicoCELAの無線LANシステムを組み合わせ、建設中の高層ビルで通信環境を整備(資料:戸田建設)
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 無線通信技術を開発するPicoCELAは、九州大学発のスタートアップ企業だ。同16日には、清水建設がPicoCELAに数億円の出資を決めたばかりである。西松建設は戸田建設より早い19年9月にPicoCELAと組み、同じく高層ビル向けの無線LAN環境の構築に着手している。建設会社がビルの建設・運用に、無線通信技術を必要としていることがうかがえる。

 今回のシステムは、戸田建設と古野電気が開発した「ウェーブガイドLANシステム」と、PicoCELAの「無線バックホール方式」を組み合わせたものだ。前者は縦方向(ビルの高さ方向)に電波を送るのに優れ、後者はウェーブガイドLANシステムの課題である横方向(同一フロア内)の電波送信を補える機能を有する。

 両者を掛け合わせることで、高層ビルの建設現場で縦・横方向の広い範囲に無線LANの電波を届けられるようになった。

 ウェーブガイドLANシステムは電波を放出するアンテナユニットに、建設現場で使う仮設材の単管パイプを「導波管」として接続し、無線LANを構築するものだ。現場にLANケーブルを敷く必要がない。パイプはケーブルと違い、断線する恐れも少ない。

単管パイプを利用した無線LANシステム「ウェーブガイドLANシステム」の構成(資料:戸田建設、古野電気)
単管パイプを利用した無線LANシステム「ウェーブガイドLANシステム」の構成(資料:戸田建設、古野電気)
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建設現場におけるウェーブガイドLANシステムの利用イメージ(資料:戸田建設、古野電気)
建設現場におけるウェーブガイドLANシステムの利用イメージ(資料:戸田建設、古野電気)
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 建設現場はコンクリートの床や壁が障害物となり、縦方向に電波を送るのが難しい。そこで戸田建設と古野電気はパイプシャフトやダクトスペースなどの縦空間に単管パイプを通し、高層階への電波送信を可能にした。単管パイプをつなげる途中にアンテナユニットを接続することで、より高層のフロアまで無線LANの利用範囲を広げる。

 とはいえ、超高層ビルの高層階になると、フロア全体に安定した無線LAN環境を構築するのは困難という課題が残った。そこでPicoCELAの無線バックホール方式を持ち込み、中継用のアクセスポイントも接続。フロア内にもアクセスポイントを用意することで、横方向に安定して電波を送れるようにした。

 PicoCELA製のアクセスポイント機器「PCWL-0410」を使い、広範囲に無線LAN環境を構築できるようになった。