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 国土交通省の「『水災害対策とまちづくりの連携のあり方』検討会」(座長:中井検裕・東京工業大学環境・社会理工学院教授)は2020年8月31日、水害の頻発や激甚化などに対応した街づくりを進めるために、ハザード情報を充実させたり、地域ごとにリスクを評価して防災対策などに生かしたりする必要があるとする提言を発表した。

 国交省は提言に基づき、都市の防災・減災に役立つ民間の取り組みに対して、容積率を緩和する制度を創設。20年9月7日に自治体に通知した。このほか街づくりの具体的な考え方・手法を示す「水災害リスクを踏まえた防災まちづくりのガイドライン」を、自治体などに向けて20年度中に作成する予定だ。

「水災害対策とまちづくりの連携のあり方について」の概要。提言では、水災害対策を治水施設の整備に任せるのではなく、ハード・ソフトを連携させて一体的に対策を講じる必要があるとした(資料:国土交通省)
「水災害対策とまちづくりの連携のあり方について」の概要。提言では、水災害対策を治水施設の整備に任せるのではなく、ハード・ソフトを連携させて一体的に対策を講じる必要があるとした(資料:国土交通省)
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 「水災害対策とまちづくりの連携のあり方について」と題した提言では、自治体などの街づくり部局と治水・防災部局が連携し、街づくりと防災・減災を両立するための基本的な考え方を示した。効果的に水災害リスクを軽減するためのポイントとして、「街づくりに活用するための水災害に関するハザード情報の在り方」「水災害リスク評価に基づく、防災にも配慮した街づくり」「水災害対策と街づくりとの連携によるリスク低減方策」の3つを挙げた。

 1つ目の「ハザード情報のあり方」では、現行の浸水想定図が最大規模の被害を想定していることの弊害として、土地の相対的なリスクが見えにくくなり、街づくりの検討に活用しづらいことなどを指摘。想定最大規模だけでなく、より頻度の高い水害にも対応し、多段階で浸水想定区域を示す必要があるとした。また、10~20年という長期スパンで対策を検討するうえで、治水施設の整備が進むことなどによる浸水リスクの変化を時系列で示すべきだとしている。