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 新型コロナウイルス感染症の影響で、街づくりはどう変わるのか――。国土交通省は2020年8月31日、「新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性」と題する論点整理を公表した。国交省が同年6~7月、今後の都市政策の在り方について有識者計61人などにヒアリングした内容をまとめたもの。同省は20年秋ごろをめどに検討会を設置し、新たな街づくりを支える施策について議論を始める考えだ。

 ヒアリング対象は都市再生や都市交通、公園緑地、都市防災、医療、働き方など様々な分野の専門家と、都市開発に携わる事業者など。建築設計者では隈研吾氏や内藤廣氏のほか、オープン・エー代表取締役の馬場正尊・東北芸術工科大学教授などが聞き取りに応じた。

 国交省はヒアリングを基に「都市(オフィスなどの機能や生活圏)」、「都市交通(ネットワーク)」、「オープンスペース」、「データ・新技術などを活用した街づくり」、「複合災害への対応などを踏まえた事前防災街づくり」の大きく5つのテーマに分けて、今後の在り方や政策の方向性などを整理した。

新型コロナ危機を契機とした新たな街づくりのイメージ(資料:国土交通省)
新型コロナ危機を契機とした新たな街づくりのイメージ(資料:国土交通省)
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 都市の今後の在り方や政策の方向性については、テレワークの普及などを背景として「職住近接」に対応する街づくりを進めなければならないと指摘。居心地が良く歩きたくなる「ウオーカブルな街づくり」を推進する重要性が増すと述べた。

 また、感染症対策を施した安全で快適なオフィスの整備を促進することが都市の競争力強化につながるとした。特にオフィス機能が中心となっている大都市については、クリエーティブな人材を引き付ける良質な住環境、ゆとりあるパブリックスペースなども併せて提供して国際競争力を高める必要があると指摘。人や機能の「集積」を追求してきた従来の都市政策を、過密対策を施しつつ引き継ぐ考えを示した。