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 キッズデザイン協議会は2020年9月30日、第14回キッズデザイン賞の最優秀賞に当たる内閣総理大臣賞に、内装を全面的に木質化した1辺54mの正方形平面を持つ木造平屋建て福祉施設「まごころ学園(福祉型障がい児入所施設)」を選んだと発表した。

 07年に始まったキッズデザイン賞は、子どもの安全・安心や成長・発達に役立つ優れたサービス、製品などを顕彰する制度。第14回は応募数390件から237件が受賞し、このうち33件を、内閣総理大臣賞を含む優秀作品として選定した。

写真中央右側の施設が「まごころ学園」(写真:キッズデザイン協議会)
写真中央右側の施設が「まごころ学園」(写真:キッズデザイン協議会)
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 新潟県見附市内に位置する「まごころ学園」は、知的障害を持つ児童、育児放棄や虐待を受けた子どもなどが暮らす施設。同市や三条市などの5市町が組織した新潟県中越福祉事務組合が運営している。長建設計事務所・山下研究室設計監理共同企業体が設計し、18年9月に竣工した。

 建物は木造平屋建てで、延べ面積は約1900m2。平面は1辺が54mの正方形で、中央に中庭を設けている。大規模な施設ながら、外壁を雁行(がんこう)形式としてひだ状の空間をつくるなどの工夫を施し、子どもの居場所をつくり出した。個室36室を完備している。

 内装は全面的に木質化した。長建設計事務所の木村博幸代表取締役は「できるだけ木の仕上げとし、防耐火上必要な部分には石こうボードを張った。避難経路を建築基準法の規定以上に設けるなどして、万が一火災が発生した際の安全確保にも配慮した」と語る。

 キッズデザイン賞の審査委員会は、「家族と家の在り方の縮図のような施設であり、『子どもが主役』という関係者の思いが建築として表現されている」と評価した。設計を担当した長岡造形大学の山下秀之教授は、「子どもたちが生き生きと暮らしていると聞いて安堵している」と語った。

「まごころ学園」では、内装を全面的に木質化している(写真:佐武 浩一)
「まごころ学園」では、内装を全面的に木質化している(写真:佐武 浩一)
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中庭から見た雁行形式の外壁(写真:佐武 浩一)
中庭から見た雁行形式の外壁(写真:佐武 浩一)
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「まごころ学園」では、中庭を囲むように建物を配置した(写真:キッズデザイン協議会)
「まごころ学園」では、中庭を囲むように建物を配置した(写真:キッズデザイン協議会)
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