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 トルコ沖地震を巡って、被害の状況や原因が徐々に明らかになってきた。中層ビルに倒壊などの深刻な被害が発生しており、現地で被害状況を調査した建築構造の専門家は鉄筋コンクリート(RC)の配筋などに関する問題を指摘する。

 トルコ・ギリシャ沖のエーゲ海で2020年10月30日午後2時51分(現地時間)に発生した大規模な地震について、トルコ内務省災害緊急事態対策庁(AFAD)は11月8日、同国内の死者が115人、負傷者が1034人になったと発表した。救助活動は11月4日に終了している。

トルコ・イズミルで倒壊した建築物。2020年10月30日に撮影 (写真:トルコ赤十字社)
トルコ・イズミルで倒壊した建築物。2020年10月30日に撮影 (写真:トルコ赤十字社)
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 被害が集中したトルコ第3の都市イズミルのバイラクル地域では、約20棟の建物が倒壊したとみられている。AFADは3000棟超が大きな被害を受けたと発表している。

 米国地質調査所(USGS)によると、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.0。震源はギリシャ東部のサモス島の町、カルロバシの沖合約16㎞だ。イズミルとは約63㎞離れている。震源の深さは約21㎞だ。AFADによると、11月10日時点で3000回超の余震が発生した。

 トルコ西部はユーラシアプレートとアフリカプレートの境界に当たる地域で、これらのプレートの運動によってたびたび大きな地震が発生している。今回の地震は、17年にトルコ西部で発生したM6.6の地震と同じく正断層型の地震とみられる。

 地震によってエーゲ海で津波が発生し、イズミル沿岸部では住宅街に流れ込んだ津波で1人が死亡した。現地メディアによれば流れ込んだ津波の高さは約50㎝だったという。

 イズミルで被害調査に当たったイスタンブール工科大学のAlper Ilki(アルペール・イルキ)教授によると、河川に挟まれた深さ500mを超える沖積層の軟弱地盤の地域に、建物被害が集中していた。

 特に倒壊などの大きな被害を受けたのが、7~10階建ての中層ビル。地震動の卓越周期が、こうした建物の固有周期(1.2~1.6秒)と近かったとみられる。イルキ教授によると、同じ地域に立つ30~40階建ての高層ビルや2~5階建ての低層建築物には深刻な損傷はなかったという。