全1398文字
PR

 清水建設は、コンクリート用3Dプリンターで柱の埋設型枠をつくる繊維補強モルタル「ラクツム(LACTM)」を開発した。従来の3Dプリンター用コンクリートが抱えていた固まるまでの最適な時間や、積層面の一体化といった課題を解消した。さらに強度と靭(じん)性が高い点が特徴だ。現場で3Dプリンターを使って埋設型枠を施工することで、鉄筋コンクリート造での省力化、省人化につなげる。

清水建設が開発したラクツムをコンクリート用3Dプリンターで積み上げて、柱の型枠を作成している様子(資料:清水建設)

 ラクツムは固まる前に重ねても崩れること無く形状を維持できる。清水建設は実験で、ラクツムを幅2~4cm、厚さ0.7cm、秒速10cmのペースで押し出しても、高さ2.1mの型枠を約2時間で造形できることを確認した。プリント完了から20時間後には、コンクリートを打設できる強度となった。

 通常のモルタルでは、3Dプリンターで型枠のような薄い構造物をつくろうとすると、高さ約10cmも積めば形状を維持できずに崩れてしまう。崩れないようにモルタルが固まるのを待ちながら積んでいくと、作業の効率化につながらないという課題があった。

 また、積層面に気泡や空隙ができやすく、水や空気が進入して劣化の原因となる。ラクツムは固まるのを待たずに積めるため、積層面が一体化できる。清水建設は、コンクリートの耐久性を評価する方法を用いて、積層面の一体化を確認した。コンクリート表層の吸水速度を測定する方法で、ラクツムのカット面からはほとんど吸水せず、一般的なコンクリートの品質基準を上回った。このことから、積層面が一体化していることを確認した。

清水建設が開発したラクツムをコンクリート用3Dプリンターで積み上げて、柱の型枠を作成。装置のアームが届く高さ2.1mまで造形に成功(写真:清水建設)
[画像のクリックで拡大表示]
清水建設が開発したラクツムをコンクリート用3Dプリンターで積み上げて、柱の型枠を作成。装置のアームが届く高さ2.1mまで造形に成功(写真:清水建設)
[画像のクリックで拡大表示]
清水建設が開発したラクツムをコンクリート用3Dプリンターで積み上げて、柱の型枠を作成。装置のアームが届く高さ2.1mまで造形に成功(写真:清水建設)