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 積水ハウスは2020年12月、窓開けに頼らず、ウイルスや花粉などの汚染物質を清浄して換気できる次世代室内環境システム「SMART-ECS(スマート イクス)」を発売した。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、換気や空気清浄のニーズが高まっていることに対応する。

 SMART-ECSは同社の戸建て住宅向けシステムで、従来の24時間換気システムの代わりに導入するものだ。熱交換型換気システム「アメニティー換気システムⅣ」と、天井付き空気清浄機「エアミー(Air Me)」で構成する。

 価格(税別)はエアミーが2台の場合で、標準装備の24時間換気システムの代金に、差額の43万円が上乗せとなる。販売(導入)目標は、年間2400棟を見込む。積水ハウスは年間で約1万棟の住宅を供給しており、そのうちの約4分の1にSMART-ECSを導入する計算になる。なお、アメニティー換気システムⅣの新築戸建て住宅全体における採用率は、「過去半年の実績で約3割」(積水ハウス広報)となっている。

熱交換型換気ユニット。厚生労働省が推奨する建築物衛生法において、商業施設などで求められる1人当たり30m<sup>3</sup>/h以上の換気量を家全体で確保(写真:積水ハウス)
熱交換型換気ユニット。厚生労働省が推奨する建築物衛生法において、商業施設などで求められる1人当たり30m3/h以上の換気量を家全体で確保(写真:積水ハウス)
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天井付きの空気清浄機「エアミー」。0.1~2.5μmの粒子を99%キャッチする「HEPAフィルター」と「ホルムアルデヒド吸着脱臭フィルター」で、花粉やPM2.5といった微粒子だけでなく、臭いやホルムアルデヒドも除去できる(資料:積水ハウス)
天井付きの空気清浄機「エアミー」。0.1~2.5μmの粒子を99%キャッチする「HEPAフィルター」と「ホルムアルデヒド吸着脱臭フィルター」で、花粉やPM2.5といった微粒子だけでなく、臭いやホルムアルデヒドも除去できる(資料:積水ハウス)
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 アメニティー換気システムⅣ(給気と排気を機械的に行う第1種換気)は、屋外に排気する熱を回収する熱交換型換気により、換気による熱損失を約80%抑える。一方、エアミーは空気中の微細な汚染物質を取り除く空気清浄機だ。天井に設置するエアミーは、床置き型よりも障害物の影響を受けにくい。

冬の熱交換の例(資料:積水ハウス)
冬の熱交換の例(資料:積水ハウス)
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 エアミーは一般的な24時間換気システム(自然に給気する第3種換気)と比べて、約2~5倍の速さで汚染物質を除去できる(床面積が30m2 程度の実験室空間での結果。使用環境によって効果は異なる)。

積水ハウスの総合住宅研究所で、「SMART-ECS」の公開実験を12月に開催した(写真:積水ハウス)
積水ハウスの総合住宅研究所で、「SMART-ECS」の公開実験を12月に開催した(写真:積水ハウス)
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室内を意図的に汚染させた状態。SMART-ECSの運転前(写真:積水ハウス)
室内を意図的に汚染させた状態。SMART-ECSの運転前(写真:積水ハウス)
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SMART-ECS運転の20分後には、汚染物質がほぼなくなった。エアミーで汚染物質を浄化しながら、同時にアメニティー換気システムⅣが室内の空気と外気を交換する。外部からの汚染物質の侵入も抑えている(写真:積水ハウス)
SMART-ECS運転の20分後には、汚染物質がほぼなくなった。エアミーで汚染物質を浄化しながら、同時にアメニティー換気システムⅣが室内の空気と外気を交換する。外部からの汚染物質の侵入も抑えている(写真:積水ハウス)
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 アメニティー換気システムⅣが備える給気口から、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)などの生活空間に新鮮な外気を取り入れる。そのとき、「給気清浄フィルター」で、外気に含まれる花粉やPM2.5など2.0μm以上の汚染物質は95%以上除去する。給気清浄フィルターは約5年に一度交換すれば、機能を保てるという。

 アメニティー換気システムⅣとエアミーはもともと、積水ハウスが個別に提供してきた製品である。両方を組み合わせて使うことで、室内外の温度差が激しい夏や冬に、窓を閉めたままでも空気をきれいにすることができる。機械的に素早く空気を入れ替えられるので、「窓を開けて換気をする機会は大幅に減らせる」(積水ハウス広報)。

 窓を開けなければ、室温を一定の範囲内に保ちやすくなる。温度変化が緩やかになり、人体への負担を低減できる。窓の開け閉めが減れば、防犯にも役立つ。

 SMART-ECSを導入する住宅では、LDKが室内の「風上」になるような間取りプランを提案する。玄関などの非生活空間が「風下」になるよう、室内の「換気ゾーニング」を決める。設計段階で住宅に「空気の通り道」を盛り込み、室内全体の空気の流れをコントロールする。例えば、建具の隙間を空気の通り道として活用する。

室内の空気の流れを「設計」する(資料:積水ハウス)
室内の空気の流れを「設計」する(資料:積水ハウス)
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