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 2021年1月13~15日、ドイツ・ミュンヘンの国際建築・建材・システムの展示会であるBAU(バウ)は、「BAU ONLINE」として初めてオンライン上で開催した。延べ面積約20万m2の敷地に45カ国から2250の出展社がリアルに集い、総勢25万人が訪れた前回(2019年)のBAU2019とは様相が大きく変わった。

BAU ONLINEの様子(写真:Messe Munich)
BAU ONLINEの様子(写真:Messe Munich)
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 世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大していく中、多くの企業が不参加を表明、また国境を越えての移動が厳しく制限される状況になり、通常開催は困難との判断に至った。開催者は現地での展示の規模を縮小し、オンラインコンテンツを付け加えるハイブリッド型を提案した。この提案に対して、参加を希望する企業にアンケートを実施。その結果、オンラインのみの展示に集中したいという回答が多数を占めたため、オンラインのみでの開催が正式に決定した。

 BAU2019では1日券が27ユーロ~だったが、BAU2021は無料登録することで、各出展社のプレゼンテーション、1対1での説明や商談に参加できた。加えて、連日実施する専門家による講演も視聴できた。

 出展社数は約250社に減少した。出展社の掲載料は4500ユーロ。Webサイト上のバナーを強化したりアポイントのキャパシティーを増やしたりするためには、さらに2000ユーロを加えてアップグレードする必要があった。BAU2019ではブースの面積や造作によって費用が異なり一概には比較できないものの、最低出展面積の20m2の場合は約4600ユーロだったので、大きな違いはない。

 20年に開催を予定していた他の展示会(開口部のFensterbau Frontale、照明の Light+Building showなど)は当初、延期を検討していたが結局中止となった。BAUと同様に21年に予定していた設備関連のISH Frankfurtは、21年3月にオンライン上で開催することが決定している。

 BAU2021の内容を見ていこう。若い世代を中心に、モノを所有せずシェアする考え方が多くの国でトレンド化している。BAUのオンラインセミナーにおけるFuture Livingでは、こうした背景も含め、居住が受けるミニマリズムの影響について興味深い議論が交わされた。

 住戸面積は最小限になり、シェアスペースのクオリティーが高まるとともに、シェアスペースで過ごす時間も著しく伸びるという予想が示された。プライベートスペースの面積は小さくなるものの、建設コストが上昇しているエリアでは、1戸あたりの価格や家賃を抑える効果が期待できる。

オンラインセミナーの様子(写真:4ds Int. GmbH)
オンラインセミナーの様子(写真:4ds Int. GmbH)
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 建物の奥行きや天井高を光熱費削減のために100パターンのシミュレーションで検証するといった事例に加え、近年普及が進んでいる都市部での木造建築では、構造体の表面を内装材レベルで仕上げておくことで内装材を不要とし、住宅において高いデザイン性を保ちながらコスト削減を実現した事例も紹介された。このように最小化をトップに掲げて講演する建築家が多く、ミニマリズムの影響やコロナ禍ならではといった印象を与えていた。