全750文字
PR

 青森県十和田市にある「十和田市現代美術館」は2021年2月9日、展示室を増築して同年12月にオープン予定であることを発表した。十和田市商工観光課は日経クロステックの取材に対し、増築部分の設計者は、同美術館の既存施設を設計した西沢立衛建築設計事務所(東京・江東)であることを明かした。新たな展示室には、レアンドロ・エルリッヒ氏のアート作品を常設する。

西沢立衛建築設計事務所が設計した十和田市現代美術館の外観(写真:日経クロステック)
西沢立衛建築設計事務所が設計した十和田市現代美術館の外観(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 十和田市現代美術館の既存施設は、一般に「ホワイトキューブ」と呼ばれる白い展示室をちりばめたような構成になっている。08年に開館し、10年には美術館の向かい側にあるアート広場にも作品を展開するプロジェクト「Arts Towada」を進めてきた。美術館は同プロジェクトが10周年を迎えたことを機に、開館以来初めてとなる常設作品の入れ替えと展示室の増築、寄託作品の展示を決めた。

十和田市現代美術館は「白い箱」のような建物が点在する配置になっている。常設作品の一部は、1箱に1つといった具合に部屋を分けて展示されている(写真:日経クロステック)
十和田市現代美術館は「白い箱」のような建物が点在する配置になっている。常設作品の一部は、1箱に1つといった具合に部屋を分けて展示されている(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 市の商工観光課によれば、21年12月にオープン予定の増築部分は「白い箱の展示室が1つ増えるイメージ」だと言う。増築部分に展示するのは、アルゼンチン出身で日本でも人気が高いアーティストであるエルリッヒ氏の作品「建物─ブエノスアイレス」である。

レアンドロ・エルリッヒ氏のトリックアート「建物」のシリーズ。画像は参考作品(資料:レアンドロ・エルリッヒ《Shikumen》 2013, Shanghai International Art Festival, Shanghai, China、Leandro Erlich Studio)
レアンドロ・エルリッヒ氏のトリックアート「建物」のシリーズ。画像は参考作品(資料:レアンドロ・エルリッヒ《Shikumen》 2013, Shanghai International Art Festival, Shanghai, China、Leandro Erlich Studio)
[画像のクリックで拡大表示]

 体験型のインスタレーションで知られるエルリッヒ氏の作品「建物」を、世界で初めて常設展示することになる。作品はトリックアートのようなもので、鑑賞者は鏡の配置によって、まるで重力に逆らうようなポーズを視覚的に楽しむことができる。鑑賞者が中に入り込むことで成立する作品だ。

 十和田市は「官庁街通り」の美しい景観を作り出す街づくりの一環として、Arts Towadaに取り組んできた。十和田市現代美術館が接道する官庁街通りを舞台に、通り全体を1つの美術館に見立てることで多様なアートを展示するという、世界でも珍しい試みとして注目されている。