全1755文字

 パナソニックは2021年2月17日、家庭用燃料電池「エネファーム」の戸建て住宅向け新製品(第7世代)を開発し、同年4月1日に発売すると発表した。無線通信機能を標準搭載し、IoT(モノのインターネット)に対応する。

 エネファームは、ガスから取り出した水素と空気中の酸素を反応させて発電し、その際の化学反応で発生する熱で湯を沸かす機器である。

21年4月に発売する、21年度モデルの「エネファーム」。09年発売の初代機から数えて、7世代目になる(写真:パナソニック)
21年4月に発売する、21年度モデルの「エネファーム」。09年発売の初代機から数えて、7世代目になる(写真:パナソニック)
[画像のクリックで拡大表示]
エネファームに初めて、無線通信機能を標準搭載する。ネット接続には、省電力で広い範囲をカバーしやすいセルラー方式のLPWA(ローパワー・ワイドエリア)を採用(写真:パナソニック)
エネファームに初めて、無線通信機能を標準搭載する。ネット接続には、省電力で広い範囲をカバーしやすいセルラー方式のLPWA(ローパワー・ワイドエリア)を採用(写真:パナソニック)
[画像のクリックで拡大表示]

 IoTを利用した目玉となる新機能が「停電そなえ発電」である。停電が起こりそうだ(後述する「停電の可能性あり」)という情報をエネファームが外部から受信し、実際に停電になる前から自動で発電を開始。発電した電気を家庭で使い始める。こうして突然の停電に対し、先回りで備える。

「停電そなえ発電」の流れ(資料:パナソニック)
「停電そなえ発電」の流れ(資料:パナソニック)
[画像のクリックで拡大表示]

 停電予測には、新型エネファームの開発に合わせて手を組んだウェザーニューズのサービスを利用する。ウェザーニューズは同年2月3日に提供を開始したばかりの企業向け「停電リスク予測API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」を、パナソニックのクラウドと接続する。

 台風などの接近で停電が予想される状態になると、クラウドからエネファームに停電情報が送られる。そして停電になる前から、自動的に発電を始める。

 その後、実際に停電が起こった場合は停電発電を継続。停電が発生しなければ、通常運転に戻る。オプションの蓄電システムを使えば、停電時に限り、エネファームから蓄電池に充電することも可能だ。

停電そなえ発電のイメージ(その1)。停電予測のデータをエネファームが受信(資料:パナソニック)
停電そなえ発電のイメージ(その1)。停電予測のデータをエネファームが受信(資料:パナソニック)
[画像のクリックで拡大表示]
停電そなえ発電のイメージ(その2)。停電に備えて、ガスで発電を開始(資料:パナソニック)
停電そなえ発電のイメージ(その2)。停電に備えて、ガスで発電を開始(資料:パナソニック)
[画像のクリックで拡大表示]
停電そなえ発電のイメージ(その3)。停電が起これば、停電発電を継続。発生しなければ、通常運転に戻る(資料:パナソニック)
停電そなえ発電のイメージ(その3)。停電が起これば、停電発電を継続。発生しなければ、通常運転に戻る(資料:パナソニック)
[画像のクリックで拡大表示]

 ウェザーニューズの停電リスク予測APIは1時間ごとの停電予測データを、72時間先まで5kmメッシュという細かいエリア区分で提供するサービスである。日本初の画期的なサービスだ。

5kmメッシュでの「停電リスク予測API」の提供イメージ(資料:ウェザーニューズ)
5kmメッシュでの「停電リスク予測API」の提供イメージ(資料:ウェザーニューズ)
[画像のクリックで拡大表示]

 停電リスク予測APIは、暴風で停電が発生するリスクの情報を提供するもの。過去の台風で発生した停電の情報と、風速データの相関分析に基づいて開発した独自の予測モデルを使っている。まずは風が原因で発生する停電の予測からサービスをスタートした。

 特に台風の接近時には、同社のユーザーから寄せられた停電の報告と、観測機の風速データの相関関係を分析して予測につなげている。20年9月に停電予測モデルを日本で初めて開発し、21年2月には法人向けに停電リスク予測APIの提供を開始した経緯がある。

 停電の予測結果を更新したら、パナソニックのクラウドに情報を送る。停電の可能性がある地域が判明すると、クラウド側から該当エリアに設置されたエネファームに対し、停電そなえ発電に運転を切り替えるよう、無線で指示を出す。

停電リスク予測の概念図(資料:ウェザーニューズ)
停電リスク予測の概念図(資料:ウェザーニューズ)
[画像のクリックで拡大表示]