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 東京建物は2021年2月18日、本社ビルの空気の流れを可視化して、新型コロナウイルスの感染防止につなげる試みを始めると発表した。メディアアーティストの落合陽一氏が代表取締役CEO(最高経営責任者)を務めるピクシーダストテクノロジーズ(PXDT、東京・千代田)の新型コロナ対策BCP(事業継続計画)ソリューション「magickiri(マジキリ)」を採用することで、PXDTと合意した。

ピクシーダストテクノロジーズの代表取締役CEOを務める落合陽一氏(写真:東京建物、ピクシーダストテクノロジーズ)
ピクシーダストテクノロジーズの代表取締役CEOを務める落合陽一氏(写真:東京建物、ピクシーダストテクノロジーズ)
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 magickiriが持つ職場の「Planning(プランニング)機能」を使い、オフィスフロア内の空気の流れを可視化する。こうして、感染症対策の安全性を評価・改善する。

 オフィスビルの管理や運用を手掛ける東京建物には顧客企業から、コロナ禍における換気に関する問い合わせが多く寄せられている。オフィスビルの多くは窓を開けることができず、「顧客企業は自社従業員が、新型コロナの感染リスクを不安に感じている」というアンケート結果を得たという。

 そこで東京建物は、自社のオフィスフロア(東京建物八重洲ビルの地上2階)で空気の流れを実際に可視化し、感染症に対する安全対策を検証することにした。Planning機能を使った空気の流れの可視化に基づいて、2階フロアの改装に既に着手済み。同年4月にも、オフィスフロアの利用を開始できるようにする。

東京建物八重洲ビル。複数のフロアで様々な実験を実施中。空気の流れの可視化もその1つ(写真:東京建物)
東京建物八重洲ビル。複数のフロアで様々な実験を実施中。空気の流れの可視化もその1つ(写真:東京建物)
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PXDTのBCPソリューション「magickiri」を使い、空気の流れを可視化する。既に、八重洲ビルの地上2階にあるオフィスフロアを空気の可視化に基づいて改装中(資料:東京建物、ピクシーダストテクノロジーズ)
PXDTのBCPソリューション「magickiri」を使い、空気の流れを可視化する。既に、八重洲ビルの地上2階にあるオフィスフロアを空気の可視化に基づいて改装中(資料:東京建物、ピクシーダストテクノロジーズ)
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 東京建物は20年6月に、オフィスワーカーの生産性向上プロジェクトをPXDTと共同で開始したばかりだ。PXDTはセンシングと3Dデータ処理の技術を強みとしており、空間データを用いたアプリ開発プラットフォーム「KOTOWARI(コトワリ)」を要する。

 感染症対策も、両社の共同プロジェクトの一環と位置付ける。magickiriはPlanningと「Monitoring(モニタリング)」の2つの機能を有する。前者のPlanningを使って、建物の3次元(3D)エアフローデータなどを基にシミュレーションを実施。空間内の感染リスクを診断する。そして対策を提案する。過去の感染事例や感染症の専門家の知見を元に作成した独自の指標で空間を評価するという。

magickiriを使った空気の流れの可視化と感染症対策の例(資料:東京建物、ピクシーダストテクノロジーズ)
magickiriを使った空気の流れの可視化と感染症対策の例(資料:東京建物、ピクシーダストテクノロジーズ)
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