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 2021年3月2日午後10時20分ごろ、東急東横線自由が丘駅―都立大学駅間の線路沿いにあるビルの建設現場で足場が倒壊し、架線に覆いかぶさった。この影響で、東急東横線は事故発生直後から翌3日正午すぎまで、武蔵小杉駅―渋谷駅間で運転を見合わせた。ビルの施工者である松井建設と発注者の河合塾は同日、ウェブサイト上に謝罪文を掲載した。

足場が倒壊した現場で復旧作業が進む様子。2021年3月3日午前9時ごろ撮影(写真:日経アーキテクチュア)
足場が倒壊した現場で復旧作業が進む様子。2021年3月3日午前9時ごろ撮影(写真:日経アーキテクチュア)
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 松井建設によると、倒壊した足場のサイズは幅約19m、高さ約12m。東急電鉄は「約50mの広範にわたって東横線の架線に覆いかぶさった」とする。2日は都内で最大瞬間風速20m/sを超える強風が観測されており、足場の倒壊も風が原因とみられる。

 倒壊によって架線には複数の損傷が発生した。また、東急東横線田園調布駅―中目黒駅間では、事故発生直後から翌3日午前10時30分ごろまで停電が続いた。東急電鉄によると、架線上に物が載った場合に、安全性を確保するため停電するシステムを採用しているからだという。事故による人的被害はなかった。

 復旧作業は東急電鉄と松井建設が実施した。倒壊した足場の撤去や、倒壊しなかった箇所の補強などが主な作業内容だ。東急電鉄広報CS課は、「大型重機が事故現場に近づけず、撤去作業が困難だった。手作業に頼らざるを得ず、復旧に時間がかかった」と説明する。

 松井建設によると、事故が発生した現場の名称は「(仮称)河合塾自由が丘校新築工事」。東急東横線自由が丘駅から歩いて5分ほどの市街地に位置し、地下1階・地上5階建て、延べ面積約2000m2、鉄骨造・一部鉄筋コンクリート造の建物が立つ予定だ。

足場の倒壊が発生した建設現場。2021年3月3日に撮影(写真:日経アーキテクチュア)
足場の倒壊が発生した建設現場。2021年3月3日に撮影(写真:日経アーキテクチュア)
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 ビルの工事は20年2月から始まり、21年5月末に完了する予定だった。躯体(くたい)はすでに5階部分まで立ち上がっており、これから足場を外していく段階を迎えていた。松井建設管理本部総務部は「東急電鉄や河合塾、近隣住民などあらゆる方にご迷惑をおかけした。大変申し訳なく思っており、当社としてできることについては全力で対応したい。事故で生じた被害の補償については検討中だ」とする。