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 国内初の「7階建て純木造ビル」が仙台市で完成した。構造用集成材を使わず、製材を束ねて一体化した「束ね柱」を用いたのが最大の特徴だ。木材の「地産地消」を促進する新手法としても注目を集めている。

完成した純木造「高惣木工ビル」。JR仙台駅東口ロータリーの正面という好立地だ。2021年3月4日から実施した見学会には建築関係者、木材関係者などが詰めかけた。ブレースは金属製で、木材で覆っている(写真:池谷 和浩)
完成した純木造「高惣木工ビル」。JR仙台駅東口ロータリーの正面という好立地だ。2021年3月4日から実施した見学会には建築関係者、木材関係者などが詰めかけた。ブレースは金属製で、木材で覆っている(写真:池谷 和浩)
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 JR仙台駅の東口ロータリー近くで、木造建築の新境地を開拓したビルが2021年2月に竣工した。シェルター(山形市)が設計・施工した純木造、7階建ての「高惣木工ビル」だ。同年3月末に発注者に引き渡し、4月1日に開業する。

 主要な構造が木造のみの建物はこれまで、国内では6階建てが最高で、7階建ては初めて。建物用途は店舗、事務所、住宅。発注者が7階に入居し、1階から6階を店舗・事務所として賃貸する。6階にはシェルター仙台支社が入居する予定だ。

 高惣木工ビルが注目を集める理由は、木造として国内最多層となったからだけではない。構造用集成材を用いなかった点も、脚光を浴びた理由の1つだ。柱や梁(はり)には全国どこでも調達可能な国産針葉樹の製材を利用した。大きな荷重を受け持つ柱については、1辺15cmの角材を最大で9本束ねた「束ね柱(複合圧縮材)」を採用した。

45cm角の束ね柱の概要。15cmの角材を束ね、ドリフトピンと貫通ボルトで一体化する。丸い皿のような部品が貫通ボルト付近の応力伝達効率を高めるスプリットリングだ(資料:シェルター)
45cm角の束ね柱の概要。15cmの角材を束ね、ドリフトピンと貫通ボルトで一体化する。丸い皿のような部品が貫通ボルト付近の応力伝達効率を高めるスプリットリングだ(資料:シェルター)
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 束ね柱とは、複数の角材を束ね、側面からドリフトピンやボルトを打ち込んで一体化した部材を指す。木材同士が接する面にスプリットリングを配して貫通ボルトで一体化することで、応力伝達効率を高めた。15cm角の製材9本を束ねた45cm角の柱や4本を束ねた30cm角の柱などを必要に応じて用いている。

 束ね柱は古くからある木造技術の1つだが、シェルターは今回、改めて部材の曲げ破壊試験を実施し、性能特性を確認した上で適用した。柱同士や柱と梁の接合部には同社が開発した金属製部材「KES金物」を採用。建物全体の耐震性は許容応力度等計算(ルート2)で確認した。

 建築確認を担当したのは宮城県建築住宅センター(仙台市)だ。シェルターは、構造計算適合性判定を省略できる「ルート2確認検査員」による審査を経て確認済み証を取得し、20年5月に工事に着手していた。