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 住宅事業を手掛けるポラスグループのポラス暮し科学研究所(埼玉県越谷市)は復元力のある制振性能と、壁倍率4相当の耐震性能を兼ね備えた耐力壁「エンダーウォール」(Endure Wall)を開発。2021年3月8日にその性能を示す実験をマスコミなどに公開した。

制振と耐震という2つの性能を兼ね備えるエンダーウォールを、水平加力試験機で加力している様子。木質フレームの中央に見える黒い部分が制振装置「KOAダンパー」。KOAダンバーに付けたピンクの印は変形量を示す(写真:日経アーキテクチュア)
制振と耐震という2つの性能を兼ね備えるエンダーウォールを、水平加力試験機で加力している様子。木質フレームの中央に見える黒い部分が制振装置「KOAダンパー」。KOAダンバーに付けたピンクの印は変形量を示す(写真:日経アーキテクチュア)
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 エンダーウォールの制振性能を担うのは、木質フレームの中央に取り付けた「KOAダンパー」と呼ぶ粘弾性型ダンパーだ。3枚の鋼板の間にゴム製の高減衰材を挟み込み、中央の鋼板を一方に、両外の鋼板を他方の木質フレームにそれぞれ取り付けて連結している。水平力を受けて木質フレームが変形すると、鋼板を介した高減衰材が変形してエネルギーを吸収。ゴムの復元力で変形を戻す仕組みだ。

エンダーウォールに地震の水平力が加わった場合の動き方。中央にあるKOAダンパーが、変形して地震のエネルギーを吸収する(資料:ポラス暮し科学研究所)
エンダーウォールに地震の水平力が加わった場合の動き方。中央にあるKOAダンパーが、変形して地震のエネルギーを吸収する(資料:ポラス暮し科学研究所)
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KOAダンパーの構成と地震の水平力が加わった場合の動き方。側板2枚と中板の計3枚の鋼板からなる。これらの鋼板を性能復元材(高減衰材)で連結している(資料:ポラス暮し科学研究所)
KOAダンパーの構成と地震の水平力が加わった場合の動き方。側板2枚と中板の計3枚の鋼板からなる。これらの鋼板を性能復元材(高減衰材)で連結している(資料:ポラス暮し科学研究所)
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 ポラス暮し科学研究所は、ダンパーによる復元力を説明するため、実験当日、試験体とは別の模型を用意していた。ダンパーの両側に製材を設置しコの字形に組んだ模型で、一方の製材を手で押すと傾き、手を離すと元の状態に戻るというものだ。

コの字型の模型を手で押して、製材を傾かせている様子。手を離すと、元の状態に戻った。黒い金物部分に復元力のあるKOAダンパーが組み込まれている(写真:日経アーキテクチュア)
コの字型の模型を手で押して、製材を傾かせている様子。手を離すと、元の状態に戻った。黒い金物部分に復元力のあるKOAダンパーが組み込まれている(写真:日経アーキテクチュア)
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