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樹種や工期の変更に備えた「合意書」のひな型はこれだ

 今後、「契約図面に記載した木材が入手できない」「納材の遅れで工事が遅延する」といった事態が頻発する恐れがある。その場合、住宅会社は建て主に変更の了解を取る必要が出てくるだろう。

 こうした事態に、住宅会社などはどのように備えておけばいいのか。住宅・建築紛争に詳しい匠総合法律事務所では、建て主と工事請負契約を交わす際や契約後などに、木材の仕様と工期、価格の変更に関する合意書を交わしておくことを推奨する。

匠総合法律事務所が作成した木材の樹種や工期、請負価格の変更に関する合意書の例。請負契約時と請負契約後に交わす方法がある(資料:匠総合法律事務所)
匠総合法律事務所が作成した木材の樹種や工期、請負価格の変更に関する合意書の例。請負契約時と請負契約後に交わす方法がある(資料:匠総合法律事務所)
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 合意書の作成を推奨するのには理由がある。口頭説明や工事請負契約書の規定だけでは、契約した木材の調達や期間内の工事履行の責任を免れない恐れがあるからだ。匠総合法律事務所の秋野卓生弁護士は「変更リスクの説明は早い方がいい。遅くなるほど不信感が増し、合意を得にくくなる」と助言する。

 ウッドショックへの対応では、木材の見積金額を相場価格に合わせることも重要だ。プレカット会社は住宅会社に提出する見積書の有効期限を短くしているので、住宅会社もそれに習って、建て主への見積書をこまめに見直すことが望ましい。

 建築設計者にも、ウッドショックの影響拡大を防ぐため、木材の納品時期を遅らせないようにする配慮が求められる。秋野弁護士のもとには、建築士がプレカット図の承認を先延ばししたせいで、住宅会社が損害を被ったという争いが持ち込まれているという。

 契約図面では木材の樹種を特定しない、という応急対応もある。秋野弁護士はその場合でも、建て主との間で木材に関して食い違いが生じないよう、必要な木材強度などの説明を記載することを勧める。