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 南側の隣地に完成した高層マンションの影響で園庭への日差しが遮られた――。

 名古屋教会幼稚園(名古屋市)の運営法人や園児らが、マンションを開発したプレサンスコーポレーション(大阪市、以下プレサンス)と施工者の大鉄工業(大阪市)を相手取り、慰謝料や損害賠償の支払いを求めていた訴訟で、名古屋地方裁判所は2021年3月30日に判決を下した。原告の請求を一部認め、プレサンスに対して約259万円の損害賠償を命じた。大鉄工業への請求は認めなかった。原告、被告共に控訴期限の21年4月13日までに控訴せず、判決が確定した。

マンションの完成後、幼稚園の園庭に日影が生じる時間が長くなった(写真:名古屋教会幼稚園)
マンションの完成後、幼稚園の園庭に日影が生じる時間が長くなった(写真:名古屋教会幼稚園)
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 問題となったのは、19年2月に完成した地上15階建てのマンション「プレサンス丸の内フォート」だ。原告はプレサンスと大鉄工業に対して、マンションの5~15階部分の取り壊し、人格権侵害に対する慰謝料約1980万円の支払い、園庭の日照を確保するために解体した牧師館の撤去費約259万円の支払いを請求していた。

 判決で名古屋地裁がプレサンスに命じたのは牧師館の撤去費の支払いのみだ。しかし、原告側代理人の塚田聡子弁護士は「画期的な判決だ」と評価する。「マンションが立つ敷地は商業地域に指定されており、建築基準法が定める日影規制の対象外だ。にもかかわらず、名古屋地裁はプレサンスに損害賠償の支払いを命じたからだ」(塚田弁護士)