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 木材の品不足や価格高騰による「ウッドショック」が、新築・リフォームを問わず住宅の工事に深刻な影響を与えつつある。

 建設業従事者の労働組合である全国建設労働組合総連合(全建総連)が2021年5月17~25日に実施し、組合員の住宅会社166社が回答したアンケート調査で、新築工事の既契約案件184件のうち約17%が、請負金額や工期などの契約を「変更できない」状態に陥っていることが分かった。

 契約を変更できなければ、木材価格の上昇分を建て主に請求できず、住宅会社が負担しなければならなくなる。アンケート調査によると、新築工事の既契約案件で、建て主に請求できず住宅会社が自ら負担する費用は1契約当たり平均約57万円だった。

新築工事の既契約案件184件の状況を聞いた。「変更できない」は約17%に上る。アンケートには28都道県にある166社が回答した(資料:全国建設労働組合総連合)
新築工事の既契約案件184件の状況を聞いた。「変更できない」は約17%に上る。アンケートには28都道県にある166社が回答した(資料:全国建設労働組合総連合)
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 契約を変更できない理由を尋ねたところ(複数回答)、「顧客に契約変更を求めたが合意を得られなかった」が約47%で最も多かった。「プレカットの見積もりが取れない」(約25%)、「工期が確定できない」(約22%)、「樹種や仕様を決定できない」(約19%)、「請負金額が決まらない」(約9%)が続いた。

新築工事の既契約を変更できない理由を聞いた。「顧客の合意を得られなかった」が47%で最も多かった(資料:全国建設労働組合総連合の資料を基に日経クロステックが作成)
新築工事の既契約を変更できない理由を聞いた。「顧客の合意を得られなかった」が47%で最も多かった(資料:全国建設労働組合総連合の資料を基に日経クロステックが作成)
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 契約変更の問題は、リフォーム・増改築工事にも影を落としている。請負金額や工期などの契約を「変更できない」ケースは既契約案件527件のうち約15%だった。契約を変更できない理由は、新築工事と同様に「顧客に契約変更を求めたが合意を得られなかった」が約40%で最も多かった。住宅会社が自ら負担する費用は1契約当たり平均約29万円だ。

リフォーム・増改築工事の既契約案件527件の契約変更に関する状況を聞いた。「変更できない」が約15%を占めた(資料:全国建設労働組合総連合)
リフォーム・増改築工事の既契約案件527件の契約変更に関する状況を聞いた。「変更できない」が約15%を占めた(資料:全国建設労働組合総連合)
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リフォーム・増改築工事の既契約を変更できない理由を聞いた。「顧客の合意を得られなかった」が約40%で最も多かった(資料:全国建設労働組合総連合の資料を基に日経クロステックが作成)
リフォーム・増改築工事の既契約を変更できない理由を聞いた。「顧客の合意を得られなかった」が約40%で最も多かった(資料:全国建設労働組合総連合の資料を基に日経クロステックが作成)
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