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集成材メーカー国内最大手、銘建工業(岡山県真庭市)の中島浩一郎代表取締役社長によると、欧州材の集成材価格は今後も値上がりし、2021年9月の平均出荷価格は14万~15万円/m3になる見込みだ。欧州材を用いた集成材を日本に広めた中島社長に、ウッドショックの影響や国産材活用の課題を聞いた。(聞き手:荒川 尚美)

銘建工業の中島浩一郎代表取締役社長。日本CLT協会の会長も務める。中島社長の祖父である儀一郎氏が、1923年に前身となる中島材木店を創業した。70年に銘建工業に社名を変更し、集成材の生産を開始。2004年に浩一郎氏が社長に就任した。同社の構造用集成材のシェアは約18%で国内トップ(写真:日経クロステック)
銘建工業の中島浩一郎代表取締役社長。日本CLT協会の会長も務める。中島社長の祖父である儀一郎氏が、1923年に前身となる中島材木店を創業した。70年に銘建工業に社名を変更し、集成材の生産を開始。2004年に浩一郎氏が社長に就任した。同社の構造用集成材のシェアは約18%で国内トップ(写真:日経クロステック)
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欧州材を用いた集成材は、今後も値上がりしますか。

 1993年に欧州からホワイトウッドのラミナを輸入して日本で集成材を生産する事業を開始して以来、これほど原材料価格が暴騰して、供給が不安定になる経験は初めてです。

 先日、欧州のサプライヤーに、21年7~9月期の原材料価格がどうなりそうか尋ねると、「マキシマムに上げる。500ユーロ/m3を超える」との返答が来ました。これは、1~3月期の2倍に当たります。このため、集成材の出荷価格も上げざるを得ません。6月の平均出荷価格は8万円/m3でしたが、9月はその2倍近い14万~15万円/m3になる見込みです。

 北米から輸出されてくる2×4(ツーバイフォー)材の日本向け価格の値上がり状況を見ると、欧州材の集成材がこの価格帯になってもおかしくはありません。

集成材の原材料となるラミナの入荷状況は改善していますか。

 注文したのに日本にまだ到着していないラミナが大量にあります。スエズ運河の一時閉鎖の影響で停滞していたコンテナは5月末から日本に少しずつ到着し始めましたが、入荷量が不安定で予断を許しません。当社は集成材の生産量を計画比で2~3割減らす措置を講じていますが、当面は継続することになりそうです。

 7月に欧州が夏休みに入る影響で、9月と10月の入荷が減ると予想されます。そのことも、生産量を元に戻す予定を立てづらくしているのです。

 欧州には、植林、伐採、製材、乾燥、燃料利用といった、木材の持続可能なインフラが整備されており、高い生産効率を実現しています。当社が欧州から木材を仕入れ、国内で集成材を安定的に供給してこられたのは、このインフラのおかげです。今回、それが崩れたことにとても驚いています。