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 大林組とコクヨは、開発した連装ガラスパーティションで10分間防火設備の国土交通大臣認定を取得した。連装タイプのパーティションとしては日本で初めてとなる。10分間防火設備によって、これまでハードルが高かった排煙設備の省略や内装制限の緩和により木質系内装材などが採用しやすくなり、コスト削減とともに設計の自由度が高まると期待されている。2021年6月29日に発表した。

大林組とコクヨが開発した連装ガラスパーティション。ガラス面が枠で分割されないので開放性が高くすっきりした印象を与える(写真:大林組)
大林組とコクヨが開発した連装ガラスパーティション。ガラス面が枠で分割されないので開放性が高くすっきりした印象を与える(写真:大林組)
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 10分間防火設備に要求される性能は、10分間火炎にさらされた状態で、次の3条件を満たすことだ。(1)非加熱側へ10秒を超える火炎の噴出がない。(2)非加熱面で10秒を超える発炎がない。(3)火炎が通る亀裂などの損傷や隙間を生じない。

 これらをクリアするポイントは、ガラスの面外変形を抑えることだ。ガラスは比較的長さ方向の膨張率が高い材料で、ガラスをシーリングでつないだ試験体では、火炎が300℃を超えると変形が大きくなる。ガラスの上下を枠で固定していることから変形が増すにつれて炉内側にたわんで隙間が広がり、火炎が600℃になると約90mm幅の隙間が発生した。

従来品の加熱状況。ガラスが面外方向に変形して火炎が噴出している(写真:大林組)
従来品の加熱状況。ガラスが面外方向に変形して火炎が噴出している(写真:大林組)
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 この面外変形を防ぐのに、従来の20分間防火設備は耐熱強化ガラスに鋼製枠を1~2m間隔で設置するとともに防火仕様のシーリング材を用いていた。この手法はガラスやシーリング材が高価であることと、ガラス面の開放感に欠けるという課題があった。

従来品のガラスパーティション。面外変形を抑える鋼製枠でガラス面が分割されている(写真:大林組)
従来品のガラスパーティション。面外変形を抑える鋼製枠でガラス面が分割されている(写真:大林組)
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