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 2016年11月に東京都新宿区の明治神宮外苑で開かれたイベント「東京デザインウィーク」で、ジャングルジム状の木製展示物が燃え、5歳の男児1人が死亡した事故。東京地方裁判所は21年7月13日、日本工業大学の元学生2人に禁錮10月、執行猶予3年の有罪判決を下した。元学生2人は、東京高等裁判所に控訴した。

東京地方裁判所の外観。東京デザインウィークでの事故を巡って、東京地裁は日本工業大学の元学生2人に有罪判決を下した(写真:日経アーキテクチュア)
東京地方裁判所の外観。東京デザインウィークでの事故を巡って、東京地裁は日本工業大学の元学生2人に有罪判決を下した(写真:日経アーキテクチュア)
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 展示物は、同大学の学生らを中心とする部活動団体「新建築デザイン研究会」(NADS)が出展した。内部にかんなくずを付着させて、白熱電球を用いた投光器で照らしていたところ、火災が発生。内部で遊んでいた男児が全身にやけどを負って死亡し、男児の父親などもけがを負った。

 東京地方検察庁は19年8月、当時学生だった2人を重過失致死傷罪で在宅起訴。指導教員1人とイベント主催会社のTOKYO DESIGN WEEK(東京・港、以下TDW)の役職員3人は不起訴としていた。

 男児の両親は代理人弁護士を通じ、「学生らには、当時の行動を反省し、事故に対して真摯に向き合ってほしい」とコメントした。指導教員らの不起訴処分については、「私たち遺族にとっては納得できない結果です。子どもたちが安全に遊べるイベントの運営や遊具の管理など、息子の犠牲が今後の対策に生かされることを心から望んでおります」とした。

 事故を巡っては、民事訴訟が係争中だ。両親らは20年4月、TDWなどに約1億2000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴している。日本工業大学などにも損害賠償請求訴訟を起こしていたが、後に和解して訴えを取り下げた。