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 大阪市立平野中学校のプール更衣室で2021年7月5日に、天井からコンクリート片が落下して生徒1人が負傷する事故が発生してから約3週間。事故を受けて市内の小・中・高校のプール更衣室の点検を進めていた市教育委員会は21年7月28日、10件の更衣室で天井コンクリートが落下する恐れがあると発表した。

落下したコンクリート片は重さ約2.5kg。約2.2mの高さから落下し、生徒の頭を直撃した(写真:大阪市教育員会)
落下したコンクリート片は重さ約2.5kg。約2.2mの高さから落下し、生徒の頭を直撃した(写真:大阪市教育員会)
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大阪市立平野中学校のプール更衣室の天井。鉄筋がさびて、コンクリートが浮いた状態になっている(写真:大阪市教育委員会)
大阪市立平野中学校のプール更衣室の天井。鉄筋がさびて、コンクリートが浮いた状態になっている(写真:大阪市教育委員会)
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 事故が発生した平野中学校の更衣室は鉄筋コンクリート(RC)造の平屋建てで、1978年に完成した。生徒が着替えていたところ、縦約30cm、横約20cm、厚さ最大約4cm、重さ約2.5kgのコンクリート片が約2.2mの高さから落下した。コンクリート片は生徒1人の頭に直撃、生徒は軽傷を負った。

 落下原因について市教育委員会施設整備課の石橋潤一建築担当課長代理は、「築40年以上の建物で、老朽化によってコンクリートにひび割れが生じていた。その隙間に雨水がたまり、鉄筋がさびたことでコンクリートが爆裂して落下したとみている」と説明する。

 事故が発生した更衣室は、2021年9月に建て替え予定だった。授業では使用しておらず、クラブ活動でのみ使っていた。「プール更衣室は夏期しか使用していなかったため、日常的に点検していなかったようだ」(石橋建築担当課長代理)。通常、日常的な点検は学校職員が行うという。

劣化により内部鉄筋が露出

 事故を受けて市教育委員会は21年7月12日から同月21日にかけて、市内の学校にあるRC造で築40年以上のプール更衣室56件を対象に緊急点検を実施。市の技術職員を派遣して、目視で確認したり、天井を棒で打診したりするなどして、コンクリートの劣化状況を調べた。

 市教育員会が発表した点検結果によると、56件のうち「劣化がみられ、補修工事を必要とするもの」が10件、「劣化が見られるが、軽微な修繕で予防保全が可能なもの」が11件あった。そのほかの35件では劣化は確認されなかった。

 補修工事が必要と判断した10件について石橋建築担当課長代理は、「劣化により内部鉄筋が露出している箇所があり、天井コンクリートが落下する危険があると判断した。10件のうち21年度中に建て替え予定のない6件については、補修工事が完了するまで使用しないように指示した」と説明する。

 今後の対応について市教育委員会は「市内の学校職員に対して、点検方法や劣化を見つけた場合の措置方法を改めて周知する」としている。