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 年平均気温がマイナス50度を下回る過酷な環境下でCFRP(炭素繊維強化プラスチック)は構造部材としてどの程度使えるか――。竹中工務店と国立極地研究所は、南極の内陸部にある観測基地「ドームふじ」の近傍に設置する氷床掘削施設の屋根架構の一部にCFRPを採用し、性能を検証する。2021年7月19日、CFRPを使用した屋根架構の仮組みを報道に公開した。

CFRPを使用した掘削施設の屋根架構の仮組み。5つ並んだフレームのうち、黒い3つのフレームにCFRPを採用している。1つのCFRPのフレームは3つに分けて運搬する。水平方向の梁材と、斜め方向の登り梁が2つの合計3つに分けている(写真:日経クロステック)
CFRPを使用した掘削施設の屋根架構の仮組み。5つ並んだフレームのうち、黒い3つのフレームにCFRPを採用している。1つのCFRPのフレームは3つに分けて運搬する。水平方向の梁材と、斜め方向の登り梁が2つの合計3つに分けている(写真:日経クロステック)
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2003年~07年に設置した掘削施設。22年度に設置する掘削施設も、基本的には同じ形とする予定だ。高屋根部分にCFRPを用いる(写真:国立極地研究所)
2003年~07年に設置した掘削施設。22年度に設置する掘削施設も、基本的には同じ形とする予定だ。高屋根部分にCFRPを用いる(写真:国立極地研究所)
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 掘削施設に用いる部材は、日本から南極大陸沿岸の昭和基地まで南極観測船「しらせ」で輸送する。その後、沿岸部にある昭和基地から約1000km内陸にあるドームふじまで、雪上車で数週間かけて運搬する。さらに、現地での組み立ては観測隊員が行う。こうした条件から、厳しい気象環境下で建物の強度を維持しながら、輸送や組み立ての効率化のため部材を軽量化することが課題だった。

 CFRPは、強化材として炭素繊維を使用した素材だ。鉄と比較して、重さは約5分の1と軽量でありながら、引っ張り強度は約5倍に及ぶ。軽量、高強度、伸び縮み・変形しにくい、さびないなどの特徴を持つ。竹中工務店による低温下での圧縮試験では、温度が下がるにつれて最大応力度が増し、氷点下になっても強度が増すことが分かった。CFRPの採用により、輸送にかかるエネルギーの削減、施工効率の向上などが期待される。

 CFRPの架構は、掘削施設の高屋根部分に用いる。5つ並んだフレームのうち、3つに採用する。CFRPを採用した箇所の重量は、従来使用していた鋼材と比較して約40%削減できた。今回は初めての取り組みのため、安全を考えて余裕を持たせ、CFRP部材の断面を必要な厚さよりも厚めに設計している。今後は、より軽量化できる見込みだ。

 屋根架構の現地での組み立て作業を効率化するため、1つのフレームは3つに分けて運搬する。CFRPの採用で部材が軽量化できたため、運搬にかける人数は鋼材よりも減らせる。現地では人力で組み立てるため、CFRPによる部材の軽量化は効果的だ。