清水建設は、複雑な曲面形状のガラスファサードを構築する「3次元曲面ガラススクリーン構法」を開発した。曲面ガラスを点支持する部材を最適設計するとともに、3D金属プリンターで支持部材を一品生産する。これにより、3次元曲面の設計自由度を高めながら、施工の効率性や品質を確保する。2021年8月25日に発表した。
新構法は、曲面ガラス部材を接着接合で点支持するのが特徴だ。支持部材の製作には、部材の最適化を行うジェネレーティブデザイン手法と金属3Dプリンティング技術を活用する。
ジェネレーティブデザイン手法には3Dモデリングソフトを使う。ガラス支持部の構造強度を最も効率的に発揮できる3次元の形状を導き出す。この3次元データを粉体金属プリンターに入力して金属製の支持部材を製作する。一品生産なので、全ての部材の形状が異なっても対応しやすい。さらに、完成した部材の形状を3Dスキャナーで計測し、製作精度を確認したうえで施工できる。
施工時には、ガラス部材と支持部材の接合点を構造接着剤で固定する。ガラスへの穴開けといった加工が要らないので施工精度を確保しやすく、取り付けの手間も軽減できる。なお、曲面ガラスには形状の自由度が高い化学強化合わせガラスを用いる。