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調査員がいじれない仕組みに

 ハイスピードコーポレーションが導入した主な再発防止策は次の3点だ。まず、SWS試験と報告書作成ソフトを、改ざんが困難なシステムに切り替えること。新たに開発したシステムでは、SWS試験のデータをウェブサーバー経由で自動的に報告書作成ソフトに取り込むようにして調査員の介在リスクをなくした。また、異なる調査日のデータを使った報告書の作成をできなくするチェック機能や、柱状図と現場写真に調査日時や位置情報を自動的に記載する機能を盛り込んだ。

ハイスピードコーポレーションが独自に開発した報告書作成システム。8月27日から運用を開始している(資料:ハイスピードコーポレーション)
ハイスピードコーポレーションが独自に開発した報告書作成システム。8月27日から運用を開始している(資料:ハイスピードコーポレーション)
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 次に、地盤調査報告書の修正機能を、品質管理の担当者しか使えない体制とした。さらに、SWS試験機が出力するデータと報告書に記載した柱状図を、支店長や上司が照らし合わせる作業も追加した。

 SWS試験と報告書の食い違いを防ぐシステムを採用する地盤調査会社は増えつつある。最も普及しているのはジオサイン(東京・千代田)の「GeoWeb System」だ。SWS試験と報告書を自動で連係させて調査員がデータをいじれないようにする仕組みのほか、不正が行われていないことを証明する電子認証システムも備える。地盤保証会社のGIR(東京・江東)とジャパンホームシールド(東京・墨田)は、GeoWeb Systemを導入した地盤調査会社の登録店を増やすことで、不正やミス防止につなげている。

ジオサインが開発した「GeoWeb System」の仕組み。SWS試験装置「ジオカルテ」で取得したデータに位置情報を付与し、専用のウェブサーバーに送る。するとデータが報告書作成ソフト「G-Report」に自動的に取り込まれる(資料:ジオサイン)
ジオサインが開発した「GeoWeb System」の仕組み。SWS試験装置「ジオカルテ」で取得したデータに位置情報を付与し、専用のウェブサーバーに送る。するとデータが報告書作成ソフト「G-Report」に自動的に取り込まれる(資料:ジオサイン)
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 ジャパンホームシールドはさらに、地盤調査会社にSWS試験のデータ提出を求め、過去に利用されたデータでないことを自動的にチェックする機能も導入している。

 地盤調査会社と地盤保証会社は不正や食い違いを防止する対策の導入を加速させ、地盤調査への信頼回復に努める必要がある。建築士にとっても、不正や食い違いのない地盤調査報告書は欠かせない。建基法では、建築士に地盤強度に見合った基礎の選定を求めている。