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 宮城県女川町の温泉温浴施設「女川温泉ゆぽっぽ」が、長期間の休館を余儀なくされている。地震で窓ガラスの破損が相次いだためだ。2021年9月時点で原因究明が終わっておらず、22年以降も休館が続く公算が大きくなっている。

駅前広場側から見た、女川温泉ゆぽっぽとJR女川駅の様子。2015年に撮影した。女川温泉ゆぽっぽは21年5月以降、一部を除き休館が続いている(写真:吉田 誠)
駅前広場側から見た、女川温泉ゆぽっぽとJR女川駅の様子。2015年に撮影した。女川温泉ゆぽっぽは21年5月以降、一部を除き休館が続いている(写真:吉田 誠)
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 売店など一部を除き休館が続く女川温泉ゆぽっぽは、東日本大震災からの復興の象徴として知られるJR女川駅併設の施設だ。女川町が整備し、15年に開業した。建物は地上3階建てで、南北に細長い平面形状だ。北側2~3階の吹き抜け空間を浴室、南側2~3階の吹き抜け空間を休憩所としている。構造種別は鉄骨造・一部木造、延べ面積は約900m2だ。設計は坂茂建築設計(東京・世田谷)、施工は戸田建設が担った。

 休館のきっかけとなったのは、21年5月1日午前10時27分ごろに宮城県沖で発生し、女川町で震度5弱を観測した地震だった。浴室の東側ではめ殺し窓のガラス3枚が、休憩所の西側ではめ殺し窓のガラス2枚が破損した。いずれも、6mm厚のフロートガラス2枚の間に6mmの中空層を設けた複層ガラスだった。

 休憩所のガラスは屋内外に飛び散り、室内にいた男性1人が手足に切り傷を負った。浴室のガラスは室内側に飛散防止用のフィルムを貼っていたため、屋外側のみに飛び散った。

2021年5月の地震による被災状況。浴室の窓ガラスが破損した。破片が屋外に飛び散っているのが分かる(写真:女川町の写真に日経アーキテクチュアが加筆)
2021年5月の地震による被災状況。浴室の窓ガラスが破損した。破片が屋外に飛び散っているのが分かる(写真:女川町の写真に日経アーキテクチュアが加筆)
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2021年5月の地震による、休憩所の被害状況。中央上部のガラスが破損し、室内にも破片が飛び散った(写真:女川町の写真に日経アーキテクチュアが加筆)
2021年5月の地震による、休憩所の被害状況。中央上部のガラスが破損し、室内にも破片が飛び散った(写真:女川町の写真に日経アーキテクチュアが加筆)
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2階のフロア構成。2021年5月の地震によって休憩所の西側壁面、浴室の東側壁面で被害が発生した(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
2階のフロア構成。2021年5月の地震によって休憩所の西側壁面、浴室の東側壁面で被害が発生した(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 町は、坂茂建築設計と戸田建設のほか、第三者の立場で東北大学の源栄正人名誉教授に原因の調査を依頼した。町が調査に乗り出したのは、女川町で震度4を観測した21年2月13日の福島県沖地震でも、浴室と休憩所で窓ガラスが1枚ずつ破損していたからだ。被害箇所は、21年5月の地震と同じだった。

 女川町町民生活課生活支援係の木村清隆係長は、「15年の開業から21年2月の地震まで、ガラスが破損したことはなかった。2月の地震では偶然、破損したと思っていたが、5月に同じ箇所が割れたことで、建物に何らかの問題があるのではないかと考えた。原因をはっきりさせなければ営業を再開できない」と語る。