全2194文字
PR

 建築史家・建築家の藤森照信氏は、「パビリオン・トウキョウ2021」で手掛けた茶室「五庵」の廃材を一部利用し、再制作するとの決意を明かした。場所は長野県茅野市にある藤森氏の生家の畑。自らが手掛けた独特の茶室群「高過庵」(たかすぎあん、2004年)、「空飛ぶ泥舟」(10年)、「低過庵」(ひくすぎあん、17年)が立ち並ぶ場所だ。

「五庵」の外観。21年7月に撮影(写真:日経クロステック)
「五庵」の外観。21年7月に撮影(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]
「五庵」の内観(写真:藤森 照信)
「五庵」の内観(写真:藤森 照信)
[画像のクリックで拡大表示]

 東京五輪・パラリンピックに合わせて開催された「パビリオン・トウキョウ2021」では、「五庵」を含め9つのパビリオンが都内につくられた。主催した東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京によれば、全てのパビリオンは会期終了とともに撤去・廃棄することを基本としていた。「五庵」についても主催者が撤去・廃棄したが、その後、藤森氏が廃材の一部を引き取った。

 アーツカウンシル東京オリンピック・パラリンピック文化プログラム担当係長の田中彩氏は日経クロステックの取材に対し、「別の形であるとしても『五庵』が残ることは展覧会を開催した意義として残る」と話した。

 21年9月5日に長野県茅野市で発生した土石流の影響で再制作の完成時期は決まっていない。現在、「五庵」の廃材の一部は長野県諏訪市の倉庫に保管されている。