全1826文字
PR

 ニュージーランドNZ Smart Build Technologies(NZスマートビルドテクノロジーズ)は2021年10月6日、同月中に事業を開始すると発表した。ニュージーランドで深刻化する住宅供給不足の解消を目指す。同社はパナソニックホームズ(大阪府豊中市)とニュージーランドの建設会社Mike Greer Commercial(マイクグリアコマーシャル、以下MGC)がニュージーランドで設立した合弁会社だ。設立日は21年8月25日。資本金は約100万NZドル(約7800万円)だ。

 NZスマートビルドテクノロジーズは、パナソニックホームズ製の住宅部材をMGCに供給するサプライヤーだ。パナソニックホームズの湖東工場(滋賀県東近江市)で生産した部材をコンテナに積み込み、船でニュージーランドに輸送する。輸送した部材はビルダーのMGCが組み立てる。内装や設備はニュージーランドの資材を使用する。

 当面、住宅の発注者はニュージーランドの政府系デベロッパーKāinga Ora(カインガオラ)が大半を占める予定だ。

NZスマートビルドテクノロジーズの事業スキーム(資料:パナソニックホームズ)
NZスマートビルドテクノロジーズの事業スキーム(資料:パナソニックホームズ)
[画像のクリックで拡大表示]

 パナソニックホームズはこれまでも台湾やマレーシア、インドネシアで住宅関連事業を展開してきたが、いずれも現地の部材を用いて住宅を建てていた。日本で生産した住宅部材を海外に輸出し、現地のビルダーが組み立てる方法は同社初となる。

 供給する住宅部材は日本で既に利用している大型パネル構造(F構法)をベースに、ニュージーランドの建築法規に合わせて防水仕様を強化したもの。(1)外壁パネルに防水層、(2)通気層に排水機能、(3)窓枠に防水テープを加える。ターゲットの住宅タイプは、平屋および2階建ての戸建て住宅とテラスハウスだ。

 パナソニックホームズとMGCは21年1月に、ニュージーランドの北島のワイカト地方で平屋、戸建ての試作棟を完成させた。ニュージーランド向けに防水仕様を強化した部材を送り、建築前に品質検査を実施。建築後に技術検証を受け、現地の建築基準を満たすことを確認した。試作棟では現地の一般的な住宅建築工期に比べ約4カ月の工期短縮を実現した。

試作棟の建設の様子(写真:パナソニックホームズ)
試作棟の建設の様子(写真:パナソニックホームズ)
[画像のクリックで拡大表示]
完成した試作棟の外観。延べ面積は約88m<sup>2</sup>(写真:パナソニックホームズ)
完成した試作棟の外観。延べ面積は約88m2(写真:パナソニックホームズ)
[画像のクリックで拡大表示]

 またNZスマートビルドテクノロジーズは、ニュージーランドの建築関係者への工業化住宅技術指導を行い、スキルトランスファー(技術伝承)を図る予定だ。試作棟の上棟工事は、コロナ禍の影響による入国規制で現地に日本人が渡航できず、急きょリモートでの技術指導・検査になったことなどから、慎重を期して3日間の計画とした。技術者が熟練すれば、日本のように1日で行えるようになる。

 同社は、住宅供給事業の対象エリアをニュージーランド全域、メインターゲットを北島の都市部オークランドなどとした。年間1000戸の住宅部材供給を目標に掲げ、ニュージーランドの住宅不足解消と、住宅供給に伴う建築促進で現地の雇用創出を目指す。