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 国土交通省国土技術政策総合研究所と日本住宅・木材技術センター(以下、住木センター)は、耐風性能を備えた木造小屋組みの接合仕様を外力に応じて表形式で整理した。いずれも既存の部材で施工できる。住木センターが2021年11月に発行予定の「木造軸組構法住宅の構造計画2021年版」に収録する。

 国総研と住木センターが接合部の仕様表の作製に取り組んだのは、19年の房総半島台風(台風15号)など近年の大型台風で木造住宅の小屋組み被害が相次いだからだ。

2019年の房総半島台風で、小屋組みに甚大な被害が生じた木造住宅。風上の軒天井が破損し、野地板と垂木が飛散した。軒だけに、ひねり金物が確認できた(写真:日経クロステック)
2019年の房総半島台風で、小屋組みに甚大な被害が生じた木造住宅。風上の軒天井が破損し、野地板と垂木が飛散した。軒だけに、ひねり金物が確認できた(写真:日経クロステック)
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 建築基準法には木造小屋組みに関する仕様規定がないので、住宅金融支援機構の「木造住宅工事仕様書」がしばしば用いられる。しかし、この仕様書が示す方法は、立地条件や基準風速にかかわらず一律なので、耐風性能が不足するケースが生じていた。

 仕様表では、建基法が定める9つの基準風速を基に、それぞれ「標準」「強風」「強風で吹き込みあり」の3種類、計27種類の外力を設定した。「強風」は海岸線から200mの範囲、「強風で吹き込みあり」は海岸線から200mの範囲で窓などが破損して屋内に強風が吹き込み、小屋組みに内圧がかかる状態を想定している。「強風で吹き込みあり」の外力が最も大きい。

 そして、設定した外力に対し、適用可能な仕様を表にまとめた。対象とした小屋組みの接合部位は、垂木と軒桁、垂木と母屋、小屋束と小屋梁(はり)、野地板と垂木など。接合部の仕様(種類)は木造住宅工事仕様書や住木センターが認定した金物などから選び、引張試験で確認した許容耐力を記載した。強度を確保するために必要なねじの埋め込み長さなど、施工上の注意点を示したのもポイントだ。