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 木造注文住宅を手掛けるアキュラホーム(東京・新宿)は2021年10月21日、8階建て純木造の新社屋を自ら建設すると発表した。住宅会社である同社が木造ビルの建設に取り組む背景には、「木造の中大規模建築物を普及価格帯で実現するためのプロトタイプをつくり、地域工務店と一緒に全国に普及させる」(同社の宮沢俊哉代表取締役社長)という狙いがある。

 さいたま市西区三橋にある敷地内に、8階建て・延べ面積約6000m2の高層部、2階建て・同1500m2の低層部2棟などを建てる計画だ。事務所のほか、ショールームや宿泊体験棟などとして活用する。高層部は耐火建築物、低層部は準耐火建築物とする。22年に着工し、24年の完成を目指す。

新社屋の外観イメージ。木造8階建て、高さ31mの高層部(図の右手)と、2階建ての低層部から成る(資料:アキュラホーム)
新社屋の外観イメージ。木造8階建て、高さ31mの高層部(図の右手)と、2階建ての低層部から成る(資料:アキュラホーム)
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計画中の新社屋の1階平面図と配置図。低層部は延べ面積を1500m<sup>2</sup>に抑えて準耐火建築物とする(資料:アキュラホーム)
計画中の新社屋の1階平面図と配置図。低層部は延べ面積を1500m2に抑えて準耐火建築物とする(資料:アキュラホーム)
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 新社屋の構造設計は、東京大学大学院木質材料学研究室の稲山正弘教授が手掛ける。意匠設計は、稲山教授の推薦を受けた野沢正光建築工房(東京・世田谷)と、過去にアキュラホームの港北展示場を設計したマウントフジアーキテクツスタジオ(東京・渋谷)が担当する。新社屋の施工はアキュラホームだけでなく、同社と協力関係にある工務店と手分けして進める予定だ。

 新社屋は8階建てとするが、アキュラホームは5階建てまでの耐火建築物と、延べ面積1500m2程度の準耐火建築物などの普及を目指している。

 宮沢社長は「これまで木造の中大規模建築物は、特注建材を用いるなどして建設費が高くなっていた。新社屋で示すプロトタイプでは、地域で調達できる一般流通材とプレカット加工技術を用いて、中小工務店がつくれる工法とすることで、価格を下げる」と話す。

 新社屋が目標とする建設費は、坪単価120万円以下だ。補助金に頼らず、これまでにつくられてきた中大規模木造の標準的な建築費の3分の2に抑えるという。

内観イメージ。独立柱に一般流通材を用いる(資料:アキュラホーム)
内観イメージ。独立柱に一般流通材を用いる(資料:アキュラホーム)
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