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 2021年7月に明らかになった相鉄線海老名駅改良工事での基礎杭の施工不良。施工した東急建設への取材で、掘削孔の根底部にたまったスライム(泥水中の土砂などの不純物)を除去してからコンクリートを打設するまでに、計画以上の日数が空いたことが主因だと分かった。

基礎杭の施工不良を受けて、東急建設JVは是正工事を実施する。新駅舎は2022年度に開業予定だったが、発注者の相模鉄道は27年度内に延期すると発表した(写真:日経クロステック)
基礎杭の施工不良を受けて、東急建設JVは是正工事を実施する。新駅舎は2022年度に開業予定だったが、発注者の相模鉄道は27年度内に延期すると発表した(写真:日経クロステック)
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 海老名駅改良工事の施工者は東急建設・NB建設・関東緑地土木JV(以下、東急建設JV)だ。22年度の新駅舎開業に向けて工事を進めていたところ、20年7月、架設した鉄骨の一部に最大約54mmの沈下が判明。東急建設の調査で、施工済みの基礎杭30本全てに先端不良が見つかった。

 この工事では、狭小・低空間での杭工事に広く使われているTBH工法を採用し、場所打ちコンクリート杭を施工していた。施工箇所の地盤が砂礫(されき)層であることを考慮し、掘削孔壁を保護するために高粘度の安定液を用いていた。

 原因究明を進めてきた東急建設経営企画部は日経クロステックの取材に対して、「スライムの処理後、3日以内にコンクリートを打設する計画だったが、思うように作業が進まなかった。杭によってばらつきはあるが、6日空いているものもあった」と説明する。この間に、掘削孔の根底部にスライムが堆積。スライムを除去せずにコンクリートを打設してしまったため、杭の先端不良が生じたという。

 計画通りに作業が進まなかった原因について同社経営企画部は、「施工箇所の敷地が狭小なことに加えて、作業時間が深夜から早朝までに限られるといった制約があり、工程をうまく調整できなかった」と釈明する。

写真右手が基礎杭の先端不良が発覚した相鉄線海老名駅(神奈川県海老名市)。2021年8月4日撮影(写真:日経クロステック)
写真右手が基礎杭の先端不良が発覚した相鉄線海老名駅(神奈川県海老名市)。2021年8月4日撮影(写真:日経クロステック)
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