全1327文字
PR

 パナソニックはアブラヤシ(パームヤシ)の廃材から、木質ボード用の中間材をつくる技術を開発した。廃材を木質ボードに再生して炭素固定する。廃材の腐敗時に発生するメタンガスなどの温暖化ガスの削減にも貢献する。同社によると、アブラヤシの廃材から木質ボード用の中間材をつくり、木質ボードへ加工する技術は世界初だという。2021年11月15日に発表した。

アブラヤシの廃材からつくった、木質ボード用の中間材(左)と、その中間材からつくった木質ボード(右)(写真:パナソニック)
アブラヤシの廃材からつくった、木質ボード用の中間材(左)と、その中間材からつくった木質ボード(右)(写真:パナソニック)
[画像のクリックで拡大表示]

 アブラヤシの廃材は、これまで利活用されていなかった。アブラヤシの幹は水分を多く含んでいて腐りやすく、運搬しづらいからだ。さらに不純物を多く含んでいる上、繊維や粉体が混在している品質の不安定さもあり、利活用には障壁があった。

 パナソニックは、このアブラヤシの廃材を木質ボードに使用するため素材の質を改善する技術と、生成物の品質を安定させる技術を開発した。

 素材の質を改善する技術は、アブラヤシの幹を粉砕した後、不純物を特殊洗浄処理によって除去するものだ。これにより、腐敗の原因となるでんぷんや設備を傷める原因になる無機成分などを除去する。

 生成物の品質を安定させる技術は、アブラヤシの幹を粉砕して抽出する繊維や粉体を再配合するものだ。幹の部位ごとにばらつきがある繊維と粉体を再配合することで、生成物のばらつきを無くし、一定の強度を担保する。これらを圧縮成形することで中間材にする。

 これらの技術により製造した中間材は、MDF(中密度繊維板)と同様の設備で木質ボードへ加工できる。中間材は輸送や保管が容易であり、世界各地のボード工場でパームヤシの廃材を原料とした木質ボードの生産が可能になる。

 アブラヤシの廃材からつくる木質ボードの価格は、MDFと比較して1、2割程度高くなる。ウッドショックで木材価格が高騰していることを踏まえると、価格の差は縮まる。