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 3m四方のいかだのような船が、水上を静かに移動する。船上で男女3人が和やかに談笑する姿が見られるが、誰も操縦していない。そもそも操縦席が見当たらない。水上を前後左右へと自在に移動した後、船は仮設の桟橋に滑るように着岸した。

 これは、竹中工務店を代表法人とする海床ロボットコンソーシアムが実施した自動運転船「海床(うみどこ)ロボット」の実証実験の様子だ。GNSS(全世界測位衛星システム)を利用した高精度な位置制御による自動離着岸と、あらかじめ設定したルートの自動運転を検証した。2021年12月13~17日(設備の設置や撤去の期間を含む)に、大阪城公園(大阪市)の東外堀で実施した。

実証実験で大阪城の外堀を進む都市型自動運転船「海床ロボット」(写真:田口 由大)
実証実験で大阪城の外堀を進む都市型自動運転船「海床ロボット」(写真:田口 由大)
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 海床ロボットは、2025年日本国際博覧会協会や大阪商工会議所が公募した万博に向けた実証実験に採択されたプロジェクトの1つだ。大阪・関西万博会場での実用化を目指す。

 大きさは船舶免許が必要ない3m四方で、最大8人が乗船できる。四隅の水中にプロペラが取り付けられていて、バッテリーを動力にしてドローンのように前後左右のほか斜めの全方向に進むことができる。パワーは2馬力で、スピードは毎秒約6m。6~8時間の充電で、4~6時間ほど稼働する。

自動運転船「海床ロボット」。今回の実験では木材で椅子や柵を設けたが、用途に応じて船の上屋は変更が可能だ。実際に乗船した印象は、揺れをほとんど感じることはなく、食事などをすることも問題なくできそうだった(写真:田口 由大)
自動運転船「海床ロボット」。今回の実験では木材で椅子や柵を設けたが、用途に応じて船の上屋は変更が可能だ。実際に乗船した印象は、揺れをほとんど感じることはなく、食事などをすることも問題なくできそうだった(写真:田口 由大)
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仮設の桟橋に自動で着岸する「海床ロボット」(写真:田口 由大)
仮設の桟橋に自動で着岸する「海床ロボット」(写真:田口 由大)
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