全1505文字
PR

 東京五輪の開催延期に伴い選手村マンションの引き渡しが遅れることを巡って、一部の購入者が集団訴訟を起こしている。「HARUMI FLAG(ハルミフラッグ)」(東京・中央)の購入者29人は2021年12月24日、三井不動産レジデンシャルなど10社に対して当初の期日までに物件を引き渡すよう求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。

HARUMI FLAGの外観。2020年2月に撮影(写真:日経クロステック)
HARUMI FLAGの外観。2020年2月に撮影(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 HARUMI FLAGは、東京・晴海の約13haの敷地に分譲マンションや商業施設など計24棟を整備する巨大な都市開発プロジェクト。三井不動産レジデンシャルなど11社で構成する特定建築者が建物を整備している。施工者は前田建設工業や長谷工コーポレーション、三井住友建設などだ。19年に分譲マンション940戸が販売された。

 被告となったのは、分譲マンションの売り主で特定建築者の構成企業でもある三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、東急不動産、東京建物、大和ハウス工業、住友商事、NTT都市開発、日鉄興和不動産の10社だ。

 訴状によると、特定建築者と東京都は19年4月、定期建物賃貸借契約を締結した。東京五輪に参加する選手の宿泊施設として、HARUMI FLAGの建物を提供するためだ。契約期間は20年1月から同年12月まで。契約満了後には特定建築者が改修し、売り主から購入者に物件を引き渡すスケジュールを描いていた。購入者と売り主が結んだ不動産売買契約では、引き渡し期日を23年3月27日としていた。

 ところが、コロナ禍で東京五輪の開催が1年延期に。建物の賃貸借契約について、特定建築者と都が21年1~12月を対象期間として再契約を締結した。これを受けて売り主は、引き渡し期日を1年延期すると購入者に通知し受諾を求めた。引き渡し延期は不可抗力によるものと主張し、購入者への補償を一切拒んでいるという。

 原告側は、引き渡しの遅延は不可抗力によるものではないと主張。被告の売り主に対して当初の予定通り23年3月27日までに物件を引き渡すよう求めた。さらに予定通りに引き渡しができない場合には、連帯して8000万円を支払うよう請求した。購入者が現在借りている仮住まいの1年分の賃料などを基に算定した。