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 西武建設と建築研究所、東京理科大学は共同で、コンクリートの壁面に削孔できる「接触・微破壊式ドローン」の開発を進めている。2022年3月の実験では、ドローンに搭載した直径約8mmのドリルをコンクリート壁面に押し当て、約50mmの深さの穴を開けられることを確認した。22年6月下旬に開催されたドローン関連の展示商談会「Japan Drone 2022」で初めて公開した。

西武建設と建築研究所、東京理科大学が開発した「接触・微破壊式ドローン」。2022年6月21日~23日に幕張メッセで開催された「Japan Drone 2022」の展示の様子(写真:日経クロステック)
西武建設と建築研究所、東京理科大学が開発した「接触・微破壊式ドローン」。2022年6月21日~23日に幕張メッセで開催された「Japan Drone 2022」の展示の様子(写真:日経クロステック)
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ドリルを搭載した「接触・微破壊式ドローン」がコンクリートの壁面に穴を開ける様子(写真:建築研究所、東京理科大学、西武建設)
ドリルを搭載した「接触・微破壊式ドローン」がコンクリートの壁面に穴を開ける様子(写真:建築研究所、東京理科大学、西武建設)
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 鉄筋コンクリート構造物の塩害や中性化の調査などでの活用を念頭に開発を進めてきた。削孔するにはまず、コントローラーでドローンを操縦し、上空に飛ばす。次に、ドローンに取り付けておいたワイヤを地上で引っ張り、機体を壁側に寄せる。その後、ドローンの上部に搭載したドリルをコントローラーで操作し、壁面に向かって押し出しながら削孔する。

「接触・微破壊式ドローン」で開けた穴(写真:建築研究所、東京理科大学、西武建設)
「接触・微破壊式ドローン」で開けた穴(写真:建築研究所、東京理科大学、西武建設)
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 ワイヤを用いてドローンを壁側に押しつけることで、削孔時に機体に生じる壁からの反力に抵抗。さらに、ドリルを押し出す際や回転させる際に、ドローン自体が回転してしまうのを防ぐ。