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 2019年11月に開館し、その直後の12月にはSNS(交流サイト)などで「舞台が見えない」といったクレームが噴出していた東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)。所有者の東京都豊島区は22年7月5日、視認性を高めるために座席の一部を改修すると発表した。座席の改修設計・施工は、同ホールの設計・施工を手掛けた鹿島が担当する予定だ。

東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)の客席を舞台側から見る(写真:豊島区)
東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)の客席を舞台側から見る(写真:豊島区)
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東京建物 Brillia HALLの3階客席から舞台を見下ろす。2019年撮影(写真:日経アーキテクチュア)
東京建物 Brillia HALLの3階客席から舞台を見下ろす。2019年撮影(写真:日経アーキテクチュア)
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 同劇場は複合商業施設「Hareza(ハレザ)池袋」のホール棟にある。21年度の利用実績は306日で、同年度の総入場者数は約23万人だ。

 改修するのは1階席の中央ブロック前方4列と、2・3階のバルコニー席。1階席では、ほぼ格子配列になっている座席を一部ずらして千鳥配列に変更し、前列の観客の頭で視界が遮られるのを防ぐ。2・3階のバルコニー席では計52席を減らし、角度や配置、段床の高さなどを見直して舞台を見やすくする計画だ。改修によって総座席数は1300席から1248席に減る。

 観客からの苦情に加え、舞台が見えにくい座席の販売を主催者が中止していることを背景に、豊島区は改修に踏み切った。同劇場の演目の多くはミュージカルで、女性客が多い。見えにくいという意見も、女性から多く寄せられたという。

1階席の改修前後の座席図。中央ブロックの前から4列を千鳥配列にする(資料:豊島区)
1階席の改修前後の座席図。中央ブロックの前から4列を千鳥配列にする(資料:豊島区)
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2階席の改修前後の座席図。バルコニー席を上手と下手でそれぞれ6列17席から5列10席に減らし、角度や配置、段床の高さなどを調整する。このほか一部の座席を撤去し、2階席は計18席減らす(資料:豊島区)
2階席の改修前後の座席図。バルコニー席を上手と下手でそれぞれ6列17席から5列10席に減らし、角度や配置、段床の高さなどを調整する。このほか一部の座席を撤去し、2階席は計18席減らす(資料:豊島区)
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3階席の改修前後の座席図。バルコニー席を上手と下手でそれぞれ8列24席から5列10席に減らし、角度や配置、段床の高さなどを調整する。このほか一部の座席を撤去し、3階席は計34席減らす(資料:豊島区)
3階席の改修前後の座席図。バルコニー席を上手と下手でそれぞれ8列24席から5列10席に減らし、角度や配置、段床の高さなどを調整する。このほか一部の座席を撤去し、3階席は計34席減らす(資料:豊島区)
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