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 カーテンウオール大手の高橋カーテンウォール工業は2022年6月28日、セメント系建設3Dプリンターの開発を手掛けるPolyuse(ポリウス、東京・港)と共同研究を始めたと発表した。ビル外壁に用いるプレキャストコンクリートのカーテンウオールを、型枠を用いずじかに「印刷」できるようにして、低コスト化やラインアップの拡充などを目指す。

3Dプリンターによる試作品。写真左がプランターで、右が模様を描いたブロック。2022年3月に共同研究契約を締結後、すぐに造形テストを開始した(写真:高橋カーテンウォール工業)
3Dプリンターによる試作品。写真左がプランターで、右が模様を描いたブロック。2022年3月に共同研究契約を締結後、すぐに造形テストを開始した(写真:高橋カーテンウォール工業)
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 高橋カーテンウォール工業では、カーテンウオールの製造に鋼製型枠を使用している。製品の模様や形状などは顧客によって異なるため、型枠の転用が難しい。見積額(材工費)の約5割を型枠の費用が占めるケースもあるという。同社の広報担当者は「3Dプリンターの活用で型枠を使わずに多様な模様や形状を実現できれば、生産の効率化やコストダウン、商品ラインアップの拡充につながる」と期待を寄せる。

 納期の短縮も見込める。同社によると、現在はカーテンウオールの受注から納品までに、高層建築物の案件だと2年ほどかかる現場もあるという。なかでも型枠の製作には数カ月を要している。近年は高層ビルのエントランス周辺など、低層部の意匠に独自性を求める案件が多く、型枠の製作期間も延びる傾向がある。

 同社は生産ラインの人手不足対策としても3Dプリンターに期待している。国内に4カ所ある自社工場では、慢性的な人手不足が課題になっているからだ。同社の広報担当者は「カーテンウオールの生産ラインは自動化が進んでいない。コンクリート打設の補助や左官を含め、手作業に頼る部分がまだまだ多く、省人化や自動化は急務だ。共同研究の成果を課題解決につなげたい」と話す。