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 スタートアップ企業との協業によって人手不足などの課題解決や生産性向上を目指す動きが、地方の有力ゼネコンにも広がりつつある。加和太建設(静岡県三島市)は、地方ゼネコンとスタートアップをマッチングするオンラインコミュニティー「ON-SITE X(オンサイトエックス)」を2022年7月20日に立ち上げた。

 加入メンバー同士のコミュニケーションを促すチャット・掲示板機能を提供したり、オンラインイベントを開催したりする。参加企業は建設会社とスタートアップの双方から募る。コミュニティーに参加した建設会社が、建設業の課題を洗い出して可視化し、スタートアップによるプロダクト開発を支援する仕組みだ。スタートアップ側には、複数の建設会社に一気にアプローチできる利点もある。

オンラインコミュニティー「ON-SITE X」の画面。コミュニティーアプリの「Tailor Works(テイラーワークス)」上に開設した(資料:加和太建設)
オンラインコミュニティー「ON-SITE X」の画面。コミュニティーアプリの「Tailor Works(テイラーワークス)」上に開設した(資料:加和太建設)
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 7月26日時点で15社の25人がコミュニティーに参加している。建設会社は加和太建設に加えて、木内建設(静岡市)と須山建設(浜松市)の3社が、スタートアップでは建設業向けのDX(デジタルトランスフォーメーション)サービスを開発する燈(あかり、東京・文京)、AI(人工知能)を活用した商談支援ツールを提供するブリングアウト(東京・中央)、VR(仮想現実)研修を手掛けるエドガ(東京・江戸川)など7社が名を連ねる。このほか、金融機関など5社が加わっている。

 22年後半にはコミュニティーに参加する建設会社から1億~3億円の出資を募り、スタートアップの資金調達を支援する「建設DXファンド」を組成する予定だ。運用額は50億~100億円を想定している。